最大級のMICEイベント、日本流でおもてなし しぶ~い国際学会が注目を集める理由

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1階広場には、桜が移植されている

運営事務局の合言葉は「おもてなし」。学会の開催は、海外からの参加者を見込んで、桜の咲く4月初旬にこだわった。東京国際フォーラムの1階広場に桜を移植し、外国からの参加者を楽しませている。

会場の案内スタッフは「ASK ME」と書かれたピンクの法被を着用し、来場者の問い合わせに対応する。「学会運営に対しては高い評価をいただいている。日本人の勤勉さが大きな強みになっている」(大鹿教授)。

日本らしいテクノロジーも活用している。スマートフォン用のアプリをダウンロードすれば、どのセッションがどこの会場で行われているか、地図上に落とし込みができる。また、パネルに展示された発表内容をパソコン上で閲覧できる「e-ポスター」も本格的に活用している。

周辺のホテルは高稼働に沸く

MICE整備は訪日外国人増加の一助となるか

MICE事業は経済効果が高いと言われる。東京都はIMF・世銀総会では約107億円の経済効果があったと試算する。

海外からの参加者が多い今回の学会でも、周辺ホテルは高稼働に沸いている。せっかく日本に来たのだから、この機会に観光も、というニーズは当然あるだろう。

安倍政権はMICE事業を成長戦略の一分野に掲げ、東京都のほか、横浜市、京都市、神戸市、福岡市の5都市を「グローバルMICE戦略都市」に指定し、重点的に支援を始めている。今春にもIR(統合リゾート)法案、通称カジノ法案が成立すれば、大型の会議場を備えた統合リゾートの開発が加速する可能性もある。

政府は2020年の東京五輪に向けて、訪日外国人客を現状から倍増の2000万人へ拡大させる目標を掲げる。そのためにも、MICEの強化は欠かせない。今年は眼科学会のほかにも、札幌市や神戸市などで参加者3000~5000人規模の国際会議が開かれる予定だ。国際会議の場でいかに日本をアピールするか。そうした一つ一つの積み重ねが、観光立国への布石になる。

並木 厚憲 東洋経済 記者

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なみき あつのり / Atsunori Namiki

これまでに小売り・サービス、自動車、銀行などの業界を担当。テーマとして地方問題やインフラ老朽化問題に関心がある。『週刊東洋経済』編集部を経て、2016年10月よりニュース編集部編集長。

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