大企業の”逸材”がベンチャーに流れ始めた 直接雇用を可能にした転職ウェブツールの広がり

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企業はビジネスモデルの変化とグローバル化に対応

当然ながら、大手企業は危機感を募らせている。南さんが大手企業の子会社から聞いた話が象徴的だ。

「これまではひとつの商品やテクノロジーが30年、40年も業界を支えてきたが、今はテクノロジーの進化が速く、ひとつのビジネスモデルの賞味期限が短くなっている。社内の人間だけでは追いつけないので、変化に合わせて何度も人を採っていかないといけない」(大手自動車メーカーの子会社)。

「20年ぐらい前までは国内だけで仕事していたが、現在は数十カ国で仕事をしている。生え抜きの人間は、全員ドメスティックでビジネス英語ができる人がいないので、海外赴任経験のある人や外資系企業で働いたことのある人を採っていく必要がある」(大手通信会社の子会社)。

ビジネスモデルの変化とグローバル化。これに対応できない企業は衰退を免れない。

また、女性を活用できない企業も危ないだろう。少子化による労働人口の減少をカバーするには、現在、労働人口に参加していない大人を増やすしかない。つまり、女性、高齢者、外国人だ。

「2020年までに女性管理職の割合を30%にする」という「2030」の政府公約が転職市場に波及し、ビズリーチに「女性の管理職を採用したい」という企業が急増している。女性の新規会員数は、2013年9月から2014年2月までの半年間で前年同期比が約4倍に激増。もともと、家計においては女性が買い物の決定権を握ることも多く、新しい商品やサービスの開発に女性の視点や感性を取り入れることは、企業の生命線でもあるのだ。

続いて、ビズリーチ経由で転職した30代女性のキャリアを公開する。

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