10代少女襲う「ストーカーアプリ」ヤバい実態 バッテリー消費早い・スマホ遅い人は要注意

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一方のストーカーアプリは、基本的にユーザーから同意を得ようとしない。無断で情報を収集し、外部に送信するうえ、なんのメリットももたらさない。

なお、前述のノートンライフロック社の調査によると、ストーカーアプリの利用者は、女性よりも男性が2倍以上多いという。また、大人世代よりも若者世代のほうが、オンラインでストーカー行為することを悪いことととらえない傾向にあり、調査に参加した18〜34歳の45%が無害ととらえていたという。

一般の人であれば、パートナーや子どもの行動が気になっても、直接質問するくらいで、必要以上に詮索はしないだろう。ところが、「子どもやパートナー、従業員を支配したい」「行動をすべて監視したい」という人たちは想像以上にいる。

2011年に話題となった、「カレログ」というAndroidアプリを覚えているだろうか。「彼氏追跡情報サービス」の名目で、スマホ上のメール、SMS、ウェブ閲覧履歴、通話記録、GPSによる位置情報までを取得していたのだ。当時の総務相は、同サービスに対して「総務省が個人情報保護の観点から問題点を検討する」とコメントした。

なぜ若者はストーカーアプリを使用するのか?

カレログは商用アプリだったが、ストーカーアプリと機能はほとんど同じだ。商用アプリやソフトウェアもストーカーアプリになりうる。たとえば、若者の間では「Zenly」が使われることが多い。

位置共有アプリであるZenlyを使って友達同士になれば相手の現在地が正確に把握できるため、行動がほぼ完全に把握できてしまう。高校生などの間で浮気防止のために恋人に無理やり入れさせられるケースは複数耳にしている。

過去に取材したある女子高生からは「友だちが嫉妬深い彼氏に(Zenlyを)入れさせられて、居場所が全部筒抜けになってめんどくさいらしい」と聞いた。同アプリには、居場所をあいまいにしたり、居場所を固定して示す機能もある。

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