堀江貴文「"複雑に考えたがる人"は逃げている」 シンプルに考えるには「能力」が必要だ

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はっきりと明暗が分かれるのは、「会社にとって最も大切なことは?」という質問だ。こう聞かれたとき、「社会に貢献すること」とか「従業員を幸せにすること」とか「顧客の満足」というトンチンカンな答えをしてしまう経営者には、物事をシンプルに考えようとする「覚悟」がないなとぼくは感じる。

「社会貢献や従業員満足なんてバカらしい」という話がしたいわけではない。考えればわかることだが、株式会社の本来の目的は「株主へ利益を還元すること」である。それ以上でも以下でもない。

そのために、よいサービスや商品をつくって売る。それで顧客は満足する。そうなれば、納税額も増えるし、投資マネーも集まって、経済が活性化される。こうして結果的に、社会貢献が実現される。これが正しい順序というものだ。

このシンプルな原点すら見失っている社長が多い。そのせいで、ムダに複雑に考えてしまい、時間を浪費してしまう。ビジネスの最前線では、いつもスピードが命である。シンプルに本質をおさえた思考ができない人は、いつも「時間の勝負」で敗北することになる。

「トレードオフ」がわからない人たち

個人についても、まったく同じことが言える。

『時間革命 1秒もムダに生きるな』(朝日新聞出版)
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「好きな仕事に思いっきり打ち込みたい。でも、家族と過ごす時間も大切にしたいし、趣味や勉強の枠もしっかりと確保したい。収入はたくさんほしいけど、やっぱりリスクは取りたくないから、このままサラリーマンがいいなあ」

こういう人は、自分の欲望の本質がわかっていない。世の中はトレードオフが原則だ。例外はない。これらの希望をすべて叶えることなどまずできないし、そんな虫のいい話があるとすれば、眉唾だと思ったほうがいい。

「シンプルに考えて、自分時間に満たされた人生を生きる」とは、全部を思いどおりにして、「あれも、これも」をバランスよく手に入れるということではない。

むしろ、本当に大切にしたいこと”以外”はすべて手放し、自分の根本的な欲求に向き合うことなのだ。

「自分にとっていちばん大切なことは何か?」――それをシンプルに絞り込めた人こそが、自分の時間を手に入れているのである。

堀江 貴文 実業家

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ほりえ たかふみ / Takafumi Horie

1972年福岡県八女市生まれ。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタート。『ゼロ』(ダイヤモンド社)40万部超、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)30万部超などのベストセラーがある。近著に『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)など。

Twitterアカウント:@takapon_jp
その他詳細はHORIEMON.COM

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