足立区の過酷な子育て事情 保育園入園もかなわず、復職もままならない
同じ区内に住む坂本由美さん(仮名、37)も、1年にわたる保育園探しの甲斐もなく、1歳4カ月の長男を区内の保育園に入園させることができなかった。
夫婦ともフルタイム勤務の坂本さんは、区が設けた「保育実施指数」で48ポイント(父母ともフルタイム勤務で各23ポイントおよび3年以上の就労継続で2ポイント)と高い点数を獲得した。通常であれば、希望した認可保育園に入園させることができるレベルだが、坂本さんは申し込んだ4園とも不承諾となり、東京都独自制度の認証保育園3園も空きがないことを理由にすべてから入園を断られた。
結局、区内では保育園が見つからなかったため、坂本さんは万が一に備えて内定をもらっていた荒川区にある認証保育園に4月から子どもを預けることを決めた。
兄弟が別々の保育園になることも
足立区では、近くの保育園に預けることが困難なだけでなく、兄弟が別々の保育園になることも珍しくない。
大庭美香さん(29)は、長女(3歳)、二女(0歳)とも、自宅から徒歩で3~4分の距離にある認可保育園の入園を申し込んだものの、不承諾の通知を受け取った。その後、二女は近隣の認証保育園への入園が決定したものの、3歳の長女は電車で4駅先の別の認証保育園への転園を余儀なくされた。この認証保育園では、2歳の子どもまでしか受け入れていないためだ。
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