日本人が知らない「コロナ禍」プラハの交通事情 マスクなしの外出には罰則、国際列車は運休

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だが初の感染者が報告され、政府からの注意情報が出始めた3月10日前後から乗客が減り始めた。3月16日の週からは目に見えて乗客の数が減り、3月18日の朝に乗車したトラムはラッシュ時ながら、ついに各車両に1人ずつくらいしか乗客がいない状態となった。

乗客が1人もいない朝の通勤時間帯のトラム車内(筆者撮影)

このような状況でも、現時点では通常の平日ダイヤで運行されているため、空に近い状態のトラムが数分おきに次々と通過していく。車両の各出入り口には、マスク着用を促すステッカーが貼られ、車内でも数分おきにマスク着用を促す放送が流される。

3月17日の午前0時からは、通勤や買い物などの必要不可欠な事情で公共交通機関を利用する際は、口と鼻を覆うことが義務付けられた。

中心部はゴーストタウン

日本などアジア諸国と異なり、日常的にマスクを使う習慣がない欧州では、花粉症用のような手軽に買えるマスクはそれほど多く売られていないものの、覆うものはマスクだけでなく、スカーフやマフラーなど、何を使ってもかまわないとしている。

ただ、違反者は罰金(2万チェココルナ/約10万円)が科せられ、状況によっては拘束される場合もある。さらに翌3月18日からは、交通機関の利用以外でも外出時は常時、口を覆うことが義務となった。

ほとんど人の姿がない地下鉄クジチコヴァ駅のエスカレーター(筆者撮影)

地下鉄は、トラムほど空いているというわけではないが、それでも各車両の乗客は手で数えられるほどしか乗車していない。市内中心部、普段なら多くの市民や観光客で終日混雑する共和国広場の地下鉄駅も、利用客はほとんどいない。駅から外へ出てみれば、人影まばらな広場が目に入る。普段の様子を知っているだけに、まるでゴーストタウンになったようだ。

路線バスは、緊急事態宣言が発出された3月12日以降、最前部のドアが締め切りとなり、前のタイヤより前方(運転席後ろの座席1列分)への乗客の立ち入りが禁止された。

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