ただし、感染者数と患者数の差分がイコール無症状感染者というわけではない。3月下旬ごろから、徐々に「確認中」が増え続けている。4月14日時点では2290名と、感染者全体の3割にのぼる。
PCR検査は結果がすぐに出るわけではないため、検査で陽性だった場合のみ保健所などが連絡し、症状の有無や濃厚接触者などを確認する。「確認中」の詳細は不明だが、症状の有無すら確認できないということは実質的に感染者と連絡が取れていない可能性が高い。この「確認中」は全国に散在しているわけではなく、全体の8割超を東京都が占めている。
注意が必要な「PCR検査人数」の読み方
特設サイトで感染者数と並んで注目度の高いデータがPCR検査人数だが、こちらも注意が必要だ。まず「検査数」ではなく「検査人数」であるため、たとえば1人に2回PCR検査を行った場合は「1人」とカウントされる。また、この数字は都道府県からの報告人数を単純合算したものであり、都道府県のデータ訂正によって大きく数字が上下する。たとえば検査件数と検査人数の取り違えが判明し、新規検査人数がマイナスになるパターン。3月19日や25日はこのケースだ。また、土日は報告がないケースが多く、休日明けに大きく数字がプラスになることもある。
一方で、退院者数も日によってばらつきがあるとはいえ、1日10〜30名程度のペースで増えている。ここでの退院者とは「回復」と必ずしも同じではなく、たとえば無症状感染者が確認のために入院していたケースなども含む。
重症者数や死亡者数も残念ながらペースを落とすことなく増え続けている。4月14日時点で重症者は152名だ。