多くの男性が勘違いする「清潔感」の本当の意味 「風呂に入れば清潔」の発想は一度捨てよう

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また、とくに男性は「日焼け止め」を軽視している方が多い印象です。紫外線は肌を黒くするだけでなく、シワやたるみなどの肌老化の大きな原因となります。

たとえ外に出ることが少なくても、PCやスマートフォンからの光線も肌に悪影響を与えています。毎朝日焼け止めを塗る習慣があるかどうかで、5年後10年後の肌に大きな差が出てくるでしょう。

また、ほとんどの男性が毎朝行っているヒゲ剃り。これは、肌を傷める大きな原因です。肌のことを最優先に考えるのであれば、思い切って、医療レーザーで永久脱毛してしまうのも一案です。

ヒゲ剃りも毎日3分かかるとしたら、1年で約18時間、50年では912時間も費やすことになります。時間の節約という観点からも、いっそなくしてしまうのもいい方法かと思います。

清潔感の根幹は「生活習慣の見直し」

ここまでスキンケアの基本について取り上げてきましたが、最後に、絶対忘れてはいけないことがあります。それは「皮膚は内臓の鏡」ということです。

自身が健康であれば、肌は自然と美しくなり、スキンケアにかける時間とお金も少なくて済みます。美容クリニックで肌を白くする美白目的で頻用されているものは、実は肝臓にいい作用があるものが多く、そのままアルコールの二日酔い対策としても使えます。

肝臓でのデトックスと美肌には深い関係があります。ぽっこりしたビール腹の正体である内臓脂肪は、生活習慣病のもとであるだけでなく肌を汚くする物質も分泌しています。引き締まった体型であることは、美肌でいることにもつながるのです。

こう考えると、スキンケアで外から手を加えて変えられる部分はあるものの、体調管理や食事管理でしっかり健康を維持することが、肌、臭い、体型という清潔感のキーポイントに深く関わっていることがわかります。

健康でいることは、そのまま生命エネルギーの強さでもあります。周囲の仕事ができる人を想像してみると、清潔感があるだけでなく、力強い印象を周囲に与えてはいないでしょうか。

暴飲暴食に気をつけ、自宅でできる筋トレやジョギングで体型を管理するなど、ちょっとした積み重ねが大事です。まずは小さなところから、日々の習慣を少し変えてみることで、相手に好印象を与えることもできるはずです。ぜひ試してみてください。

神林 由香 Men’s Clara Clinic 院長

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かんばやし ゆか / Yuka Kanbayashi

日本皮膚科学会正会員。日本抗加齢学会正会員。メンズヘルス医学会会員。美容外科専門医(JSAS)。

東京大学理科2類中退後、2011年香川大学医学部卒。東京女子医科大学病院初期研修、東京女子医科大学病皮膚科入局、2016年大手美容外科都内分院スキンクリニック院長などを経て現職。

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