地元民が怒る豪華すぎる非常識な「コロナ疎開」 フロリダの高級5つ星ホテルに「籠城」

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例年、パームビーチではこの時期、冬明けの社交イベントに向けて準備が進む。近年はイースター休暇に行われるトランプ大統領のゴルフ旅行が一つの呼び物になっていた。しかし今年はパレードも、過越祭(パスオーバー)のディナーも、イースターのブランチもなしだ。

避寒地として人気があり、ニューヨークなどからも多くの常連客が訪れるパームビーチ郡では、少なくとも64人が新型コロナで死亡。1万4700人の感染が確認されているフロリダ州で最も死者数の多い郡となっている。パームビーチの町でも2人の死者が出た。

金融機関に営業した手応えは

デサンティス知事は7日、フロリダ州兵と共同で2カ所目となるドライブスルー検査場を開設すると発表したが、パームビーチ郡はコロナ検査で他の郡に後れをとっている。フォーシーズンズに滞在しているトレーダーやホテル従業員が検査を済ませたかどうかは、はっきりしていない。

シタデルのグリフィンは51歳で、フロリダ州デイトナビーチ生まれ。同ボカラトンで育ち、2018年のフロリダ州知事選では、現知事デサンティスの選挙運動に600万ドル近くを寄付した。フォーブス誌の長者番付によるとイリノイ州で最も裕福な人物で、共和党所属のイリノイ州のブルース・ラウナー前知事の最大の後援者だった。ラウナーに対しては選挙期間中、自家用機を無料で利用できるように便宜を図ったこともある。

2016年の米大統領選挙では、フロリダ州選出のマルコ・ルビオ上院議員(共和党)を支援し、その後、トランプ大統領の就任式に寄付を行った。ペンス副大統領とも、経済やビジネスについて非公式に助言する間柄だ。

グリフィンがフォーシーズンズに臨時のトレーディングフロアを開いたとのニュースは、タイドライン・オーシャン・リゾート&スパを所有するジェフ・グリーンを刺激した。グリーンはパームビーチの不動産に投資する富豪だ。同氏は金融業界の知り合いという知り合いに大量の電子メールを送付し、臨時のトレーディング拠点としてホテルを利用するつもりはないかと営業をかけた。

グリーンは言った。「私が送ったメールは、どれも次のような感じだ。『隣にホテルがある。トレーディングフロアとしてご利用になられては?』 すると、こんな答えが返ってきた。『けっこうだ。もう手は打ってある』」

現在、タイドラインで稼働中の部屋は6〜7室にとどまっている。今、フロリダ州のホテルでは、パンデミックの渦中にあっても止めることのできない「必要不可欠」な仕事に就いている客からしか新規の予約を受け付けることはできない。「レストランも、スパも、プールも、ビーチも、みんな閉まっている」とグリーン。「制限だらけの楽園だ」。

(C)2020 The New York Times News Services 

(執筆:Julia Echikson記者、Patricia Mazzei記者)

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