MTAの広報担当であるアビー・コリンズは、「乗務員の数には厳しい制約があるが、現時点ではサービスをさらに減らす予定はない」と述べた。「私たちの最優先事項は、職員とお客様の健康と安全だ。MTAは、変わり続ける現状にリアルタイムで適応し、対応し続ける」と話す。
だが依然として、サービスの減少により安全面の懸念が生じている。列車の運行頻度が減ると、プラットフォームや地下鉄の車両が混雑することがあり、社会的に距離を置くことが不可能になる。
ウイルス対策について話し合ってはいたが
ブロンクスで認可医療ソーシャルワーカーとして働くハーレム在住のアリー・エッベンは「私は、社会で最も免疫不全とされた年齢不問の患者を看ている」と話す。「満員の地下鉄に乗って、こうした患者のもとを訪れることになれば、私はウイルスの媒介者になるだろう」。
ニューヨークで最初のコロナウイルス感染者が出る数週間前から、MTAはコロナウイルスが市内に到達する可能性があることを認識していた。
トランスポート・ワーカーズ・ユニオン・ローカル 100のトニー・ウタノ会長は、マンハッタン南部にある同庁の本部で、1月28日、最高保安官であるパトリック・T・ウォーレンを含む複数のMTAリーダーと面会し、すでに封鎖を余儀なくされていた中国武漢のコロナウイルスが発生する可能性について話し合った。
ある医師は、当局が発生時にどのように対応する必要があるかを話し合うために電話で参加。協同作業空間や手を清潔に保つための消毒剤、そして感染者のみに配布するためのマスクについての議論があり、これはMTAが2012年に採用したパンデミック計画のガイダンスの一部を反映していた。
だが、次の会議を予定していた3月5日までには、ウイルスはニューヨークにたどり着いていた。
職員はすでにマスクや手袋などの防護服の要求を開始していたが、当時CDCは健康な人々によるマスクの着用を推奨していなかったため、要求は拒否された。