テレビが再放送をなかなか本格化できない事情

制約多く迷う間に「コロナチャンネル化」の一方

TBSは「半沢直樹」の代わりに、同じ池井戸潤さん原作で同じ制作陣が手がけた「下町ロケット 特別総集編」。「MIU404」の代わりに、同じ綾野剛さんと星野源さんが出演した「コウノドリ 傑作選」。「私の家政夫ナギサさん」の代わりに、前クール人気を博した「恋はつづくよどこまでも 胸キュン!ダイジェスト」。

フジテレビは、「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」の代わりに、2年前に同じ放送枠で放送された同じ医療ドラマの「グッド・ドクター」。「竜の道 二つの顔の復讐者」の代わりに、同じカンテレが制作した「素敵な選TAXI」。

日本テレビは、「未満警察 ミッドナイトランナー」の代わりに、山下智久さんと亀梨和也さんのユニットが今年再始動する「野ブタ。をプロデュース 特別編」。テレビ朝日は、「BG~身辺警護人~」新シリーズの代わりに、前シリーズの傑作選を放送します。

いずれも「視聴者のリクエストやニーズに応える」というより、「テレビ局の思惑」によるセレクトであることに気づくのではないでしょうか。さらに“特別編”の放送には、決して少なくない編集作業が伴い、その現場にはクラスターのリスクが伴うなど、世間の人々からあまり歓迎される手法とは言えません。

視聴者側の声を反映できないものか

やはり連日ツイッターに多くの声が上がっているように、視聴者からのリクエストを募るのが望ましいでしょう。これまでのようにテレビ局主導で番宣絡みの作品を視聴者に押し付ける形ではなく、ネットを活用してリクエストを募り、可能な限りその結果を反映させて視聴者を喜ばせたいところです。

ただ、4月13日に「初めて恋をした日に読む話」(TBS系)が再放送されると発表されたように、今後は深夜帯の代替番組として、さまざまなジャンルの再放送が見られるようになるでしょう。さらに、このような“深夜の再放送”という動きが加速したら、「自宅で過ごしている人々がドラマの続きが気になって寝不足になる」などのムーブメントになる可能性も秘めています。

この1カ月あまり、テレビ局員、制作会社のスタッフ、フリーのプロデューサーやディレクターなどから現在の状況をリサーチしているのですが、彼らの心境は複雑。「今こそテレビで世間の人々を楽しませたい」という情熱と、「徐々に現場スタッフの数が減ってきているし、感染が怖いからそろそろ制作をやめるべきかもしれない」という不安の間で揺れているのです。

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