コロナ禍でも働く「低所得者層」の葛藤と恐怖 移民が支える社会であらわになった階級格差

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アメリカ合衆国移民・関税執行局は、病院の中や周辺で移民を拘留しない方針を強調し、3月中旬には拘留センターへのウイルス感染の可能性を避けるためにほとんどの逮捕を停止することを示唆している(移民税関捜査局を監督するアメリカ国土安全保障省の長はその後この発言の撤回を試みた)。

しかし多くの移民は懐疑的なままで、ある噂がちまたにあふれている。コロナウイルスの検査には3000ドルかかると、一部の人は誤って信じているのだ。また、車がないためドライブスルー式検査所に行けないなど、検査を受けるうえでの障壁により、孤立感を感じている人は多い。

キャンセルしても料金を支払う雇用主

しかし、支えがあると感じている人もいる。多くの場合、家事労働者の雇用主は、清掃サービスをキャンセルしていても、支払いの継続と非常時の支援を申し出ている。

メキシコ出身の清掃婦、34歳のレティシア・アパリシオは、ここ数週間顧客からキャンセルが入ったが、支払いは続けてくれているのだと言う。「なんでしょう、なんだか悪いわ。こういうのに慣れていなくて」とアパリシオは言うと、泣き崩れた。

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しかし、これで彼女は夫が建設の仕事に出かける間、休校中の2人の小さな娘たちと一緒に自宅で過ごすことができる。

もう1人の家政婦、ヨセリン・ロサスは、ブロンクスの彼女の7人世帯の中で唯一、先週時点で仕事を失わずにいた。その後、彼女も仕事を失った。アッパーイーストサイドの離婚した弁護士のための掃除とベビーシッターの仕事だ。しかし弁護士は、この危機が過ぎるまで週600ドルの通常の給料を彼女に支払い続けると言った。

ここへきて、一部の移民に仕事を続けたことによる「結果」が現れ始めている。

サンペドロの一家。自身と娘1人がインフルエンザのような症状を感じている(写真:Stephen Speranza/The New York Times)

メキシコ出身で合法居住者である46歳のヴェロニカ・サンペドロはマンハッタンで、3人の娘たちとともに清掃業を営んでいる。数日前まで住宅の清掃を行うことができていたが、彼女と娘の1人が発熱や疲労感といったインフルエンザのような症状を感じている。

さらに、もう1人の娘は味覚と嗅覚を失った。しかし今のところ、症状が過ぎることを願いつつ、検査を受けていない。

「ちょっと具合が悪いの、インフルエンザみたいな感じで」とサンペドロは言う。「なぜなのかわからないわ」。

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