デフレ宣言でまたも勃発! 苦肉の牛丼値下げ合戦
01年の外食市場では300円前後の牛丼は「激安」のインパクトも強く集客効果も高かったが、今では同程度の格安店も珍しくない。加えて、近年はスーパーやコンビニなどで売られている弁当や総菜などの「中食」が台頭。食習慣が多様化する中で、値下げが前回のように集客の起爆剤になるかどうかは未知数だ。
こうした中で、前回は値下げ合戦に参戦した吉野家ホールディングスは今のところ、静観の構えだ。既存店売り上げは3月以降、9カ月累計で同94・7%と厳しさは変わらないが、「値下げの効果は限定的」(吉野家)と見ている。
また、04年のBSE問題以降、米国産の牛肉価格が高値に張り付いていることも背景にある。松屋やすき家はその中でも、比較的安い豪州産など米国産以外の牛肉の利用を増やしてきた。対して吉野家は味わいや肉質が高いとして米国産のみを使い続けており、「価格より品質重視」(同社)という方針を打ち出している。
業界環境が激変する中、値下げで業界は再び活気づくか。
(二階堂遼馬 =週刊東洋経済)
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