コロナ禍でも授業を続行した「学習塾」の大問題 「対面授業NG」要請に従わなかった塾も多数

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では、大手塾が実際にどのような対応をしているのかといえば、例えば「栄光ゼミナール・個別指導ビザビ」が4月1日更新の自社サイトで、4月4日(土)、5日(日)の休校(東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬)を明示。4月6日以降は通常どおりの授業を実施している。ほかにも、首都圏校で4、5日を休校にした塾がある。

とはいえ、2日の時点では、これまでどおりに授業を実施する塾のほうが圧倒的に多かった。コロナウイルス対策として、教室のアルコール消毒を徹底し手洗いうがいの実施。40~50分に1回の換気を行い、室温・温度管理等々の取り組みが掲示されていた。

例えば中学受験専門のある学習塾は、一斉休校や外出の自粛要請を都から要請された際も通塾授業を続けてきた。塾側の報道で目立つのは「保護者からの要望も多かったから開いてきた」という声だ。

塾は「不要不急」に当たらないような対応にモヤモヤ

ある都心にある塾は先月、保護者へ以下のような文言の「お知らせ」を届けた。

「昨日、小池東京都知事から今週末の不要不急の外出は自粛するようにとの要請が出されました。当塾としましては、通常どおり授業・自習を行ってまいります。今まで以上に予防を徹底してまいります。休憩のたびに、換気のために窓を開けてまいります。今まで以上に手洗いとうがいを徹底してまいります」

塾は、「不要不急」には当たらないようだ。

6年生の娘を通わせている母親によると「子どもに聞いたら、授業が90分なんだけど、その間の休憩に換気をしている」とのことだった。

「春休みが勝負だからと夫も言うので、モヤモヤしながらも行かせています」

母親によると、娘が通う小学校は5月6日までの休校期間、3日に1度は登校させる「分散登校」を実施するという。

「でも、いちばん驚愕なのは、夏休みが2週間になることなんです。受験生は夏が大事なのにと、夏休みのことも心配になってきました」

感染リスクや親たちの不安をとらえ、サッとオンライン授業に切り替えた塾もある。

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