例えば自分よりも早く昇進した同僚に嫉妬する、というのは同僚よりも頑張って先に出世できなかった自分自身に対する怒りであり、諦めなのです。同じく、自分よりも「幸せそうに見える」人に対する嫉妬というのも、「幸せでない」と感じていながら何も行動に移せない自分自身の問題なのです。
いずれのケースも根本にあるのは「当の本人」のマインドの問題であり、周りや嫉妬されている対象に落ち度があるというものではありません。そういった嫉妬心からか、いつの時代も悪口やいわゆる愚痴を言っている人というのは一定程度いるものです。
そういった嫉妬心などから一気奮発して自分を変える努力をしたり、自分が不満を持っている対象を変えるようなアクションを起こす人は稀です。稀というか、ほぼいないというのが現実でしょう。
言うだけ言って何もアクションを起こさない――。こんな無駄なことはありません。批判するだけ、悪口を言うだけ。これだけでは自分も周りも世の中も変わりませんから、いつまで経っても同じことの繰り返し、という状態になってしまうのです。
そのうち嫉妬する対象も、悪口の対象もどんどん広がりますから、当の本人はおろか周りにも悪影響を及ぼしてしまうことになるのです。おそらくA.Kさんの会社の方もそういった感じなのでしょう。
他人を批判することでしか自尊心を保てないので、繰り返す。努力できない、結果を出せない自分へのいら立ちを他人への嫉妬心として爆発させている。そんな状態でしょうから、A.Kさんを含め周りが何かをすれば変わるというものでは非常に残念ですが、ないでしょう。
当の本人に気づいてもらい、考え方を改めてもらう以外は無理でしょう。
ネガティブな雰囲気を常態化させない
圧倒的に努力をしていたり、自分の生き方に満足している人で他人の生き方を批判する人はいません。そういった人は他人と比べることの愚かさをわかっていますし、他人に嫉妬したり悪口を言ったところで自分が変わることができるわけではないことを理解しているからです。
「すごい」と思える対象がいたら、いかにして自分も努力してその域に達することができるのか、そういったポジティブな考え方をつねに持って他人に接したいものですね。
先ほどのケースで言えば、「幸せそうに見える」人がいたら、どうして幸せそうなのか、なぜそういった状態に至れたのか。現時点だけを見るのでなく、その背景も見てみる、考えてみる、または聞いてみることで、嫉妬心ではなく、学びが生まれるはずです。
今回A.Kさんは会社のその方を見て不愉快に感じたわけですから、ご自身はその姿を反面教師として捉え、「他人から学ぶ」「他人を尊敬する」というポジティブな方向につねに考えるようにしましょう。
少なくともそういった人が周りに増えてくれば、その会社の方もそのうち自分自身の恥ずかしさに気がつくはずです。
嫉妬する人を変えることはできませんが、ポジティブな環境・雰囲気作りは可能なはずです。
遠回りかもしれませんが、そのような雰囲気作りがそういった人が「自分を変えるチャンス」になりうる可能性もあります。
自分のおかしさに気がついてもらう機会の提供と言いましょうか、やはり大切なのは他人を批判したり嫉妬したりするのが普通である、という雰囲気を常態化させないことが大切です。
A.Kさんがその人の発するネガティブな雰囲気に飲まれることなく、反対にポジティブな雰囲気でその人を巻き込んでいく、そういった心がけが大切なのかもしれませんね。
そのような取り組みで、いい方向に皆が変わっていくであろうことと、A.Kさんにとってより働きやすい場所になるであろうことを応援しております。
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