「東京志向」だけでない、糸魚川の新幹線活用法

金沢・富山への新幹線通学が定着してきた

北陸新幹線やえちごトキめき鉄道が乗り入れる糸魚川駅のアルプス口(南口)=2019年9月(筆者撮影)

北陸新幹線は3月14日、開業5周年を迎えた。この間、在来線比3倍弱の利用が定着していたが、直近の半年余りは試練が続いている。2019年10月、台風19号によって新幹線史上に残る被害を受け、そのダメージが和らいだころ、新型コロナウイルスによって利用が激減。沿線の5周年イベントも軒並み中止となった。

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そうした中、1年間の取材ノートを振り返ると、興味深い変化を確認できたのが新潟県糸魚川市だった。県境を越えた金沢市や富山市への新幹線通学が定着し、若者のライフスタイルも変えつつあるという。他方、新潟市と糸魚川市を結んでいた特急「北越」が消え、新潟市が、長野市や金沢市など隣県の県庁所在地よりも遠ざかってしまった。新たな立ち位置をどう確かめるか。地元の模索が続いている。

日本列島誕生の足跡残す

地球科学や考古学の愛好者にとって、「糸魚川」の名は特別の響きを持つ。

「糸魚川―静岡構造線」は、日本を東西に分ける大断層線だ。日本海側から、糸魚川市を南北に流れる姫川に沿って走り、さらに長野県・松本盆地の東縁や諏訪湖を通って、太平洋側の静岡市付近へ抜ける。

国立研究開発法人・産業技術総合研究所のサイトによると、約2000万~1500万年前にかけて日本海が誕生、日本列島の基礎となる岩石などが現在の位置に配列したころ、糸魚川―静岡構造線が誕生した。列島の成り立ちを考える上で重要な構造線だ。

糸魚川地域は2009年8月、日本で初めての「ユネスコ世界ジオパーク」に認定された。ジオパークは「大地」(ジオ)と「公園」(パーク)を組み合わせた言葉だ。地球科学的な価値を持つ地層や岩石、地形、火山、断層などを整備し、研究に活用しながら科学教育や防災教育に役立てる一方、新たな観光資源としても活用する。2020年4月現在、全国で43地域が「日本ジオパーク」に、うち9地域が「世界ジオパーク」に認定されている。

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