オリエンタルランドの事業は、テーマパークやホテル、商業施設、モノレールなどがある千葉県浦安市に集中している。同社は1995年の阪神・淡路大震災を機に、リスク発生時のファイナンス体制を強化。現在設定しているコミットメント期間付タームローンでは、メガバンクや地銀など4行から計1500億円を上限に必要な金額を借り入れることができる。
オリエンタルランドは「これにより約半年分の運転資金(人件費、取引先への債務支払、税金)と着手済の設備投資資金の調達が可能である」(同社広報)と想定している。この借り入れと2019年12月末時点の現預金3291億円を合わせると、仮にあと1年半程度休園が続いても資金繰り上は大丈夫という計算だ。
株価はオリエンタルランドの実力を高評価
オリエンタルランドの財務体質や営業再開時の実力値への評価が揺るがないことは、株価にも表れている。2月中に急落したオリエンタルランドの株価は、3月12日終値で1万2070円をつけたが、3月25日には同1万4835円をつけ、中国人の団体旅行が禁止される直前だった1月24日の1万5725円に迫る勢いとなった。
SBI証券の田中俊アナリストは「近年は有利子負債が減ってきていることもあり、新型コロナウイルスの影響が長引いても財務的にはまったく問題ない。集客力やオペレーションへの評価も高く、営業が再開すればぴかぴかの長期保有銘柄に戻るイメージがある。個人・機関投資家を問わず、これまで株価が上がりすぎて買えなかった人たちに絶好の買い場という感覚が強く、下げ渋って堅調に推移している」と分析する。
3月19日には期間限定イベント「ベリー・ベリー・ミニー!」のショー動画を公式YouTubeチャンネル上で公開。再生回数は4月2日16時時点で170万回超えと、休園中にもかかわらず存在感を発揮した。休園中のファンのつなぎ止めのため、その後も随時動画の更新をしているだけでなく、ゲート付近の保守・修繕など各種工事を実施している。
終わりの見えない中、オリエンタルランドは「休園後」に向けて着々と準備を進めている。
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