ところで2019年12月17日、国土交通省から乗用車の衝突被害軽減ブレーキ(AEBS/アドバンスド・エマージェンシー・ブレーキ・システム)国内基準と義務化の内容が公表された。
2021年11月以降に発売される新型の国産車に関して5つの要件が掲げられ、それらの基準を満たした性能を有する衝突被害軽減ブレーキの装着が義務化される。この義務化は、GVW(乗員+車両+積荷の重量合算値)に応じて2014年から段階的に義務化が施行されている商用車(トラック&バス)に続く安全対策だ。
義務化の時点で販売されている車(=継続生産車)は2025年12月以降に、同タイミングの軽トラックではさらに後ろ倒しで2027年9月以降に、それぞれ義務化が課せられる。また、正規販売される輸入車の新型車には2024年6月以降、同継続生産車には2026年6月以降、同じく国内基準が適応される。
日本発の技術指針が世界に取り入れられた
今回、義務化となった国内基準は2019年6月にスイス・ジュネーブで開催されたWP29での採択事項「衝突被害軽減ブレーキ国際基準」(2020年1月から効力をもつ)に則った内容だが、じつはこの採択内容は、これまで日本が欧州連合と共同議長国として主導しWP29へ提案した基準案そのものであった。つまり、日本発の技術指針がデファクトスタンダードとして世界で採り入れられることになったのだ。
さらに、衝突被害軽減ブレーキの義務化公表時には、「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」の性能認定制度についてガイドラインも示された。本稿で紹介した、踏み間違い加速抑制システムや急アクセル時加速抑制機能も、このガイドラインに準じた技術だ。
ご存じの読者も多いと思うが、衝突被害軽減ブレーキにも性能認定制度(2018年4月から継続中)があり、その後、今回の義務化を迎えている。よって筆者は、ペダル踏み間違い急発進抑制装置も近い将来義務化されると予想している。
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