ペダル踏み間違い急発進抑制装置の義務化の是非について葛巻氏に質問してみたところ、「事故抑制効果があることは確か。よってわれわれが発表した急アクセル時加速抑制機能が義務化に対し一助となり、抑制効果の高いガイドラインが示されるとよいと考えている」と回答した。
冒頭に、踏み間違い加速抑制システムを装着した車が2万0300台にのぼると記したが、2020年の夏以降は次世代型の踏み間違い加速抑制システムともいえる急アクセル時加速抑制機能の新型車への導入、そして順次レトロフィット対応も加わる。
これに将来的には義務化が加わるとなると、整備を担当するディーラーではセンサーが正しく機能するかどうかの確認作業に追われることになる。よってこの先は、万全の検査態勢が求められるわけだがトヨタとしてはどのような対策を施すのだろうか。
「確かにこの先、搭載車の急増が想定される。そのため、ディーラーでのメンテナンス態勢強化は不可欠であることから、一括したエーミング(機能調整)工程の導入を検討し、効率よく検査できる態勢を整えていく」(葛巻氏)という。
2019年の交通事故死者数は統計史上最少
ペダル踏み間違い事故に限らず、事故は複合的な要因で発生する。2019年の交通事故死者数は統計史上最少の3215人(最多は1970年の1万6765人)だが、それでもまだ多くの人命が失われているのが現状だ。状態別交通事故死者数では、歩行中(1258人)や自転車乗車中(453人)が多く、この2形態で全体の約49%(自動車乗車中は約34%)が占められている。
自動車メーカーやサプライヤー企業では、限りなくゼロに近づけるため日夜開発に勤しんでおられる。そうした業務の負担軽減のためにも、この先は、急アクセル時加速抑制機能のようにビッグデータを活用した事故発生アルゴリズムの発展によって、ピンポイントで効率的な先進安全技術の開発が進むことを期待したい。
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