トヨタが開発「ペダル踏み間違え防止」の最前線

急アクセル時加速抑制機能とは一体何なのか

こうした販売済車両へのシステム装着(この場合は、踏み間違い加速抑制システム)は「レトロフィット」とも言われているが、これまでトヨタが販売してきた、踏み間違い加速抑制システムには制限があった。踏み間違いを知らせる警報ブザーとディスプレイ表示に加えて加速そのものを抑制するもののブレーキ制御は行わない。また、販売価格を抑えるため障害物を認識するセンサーに超音波ソナーが使われていた。

超音波ソナーの得意分野は、対象物がクルマや壁だけでなくガラスであっても正確な距離測定ができることにあるが、反面、実装されている超音波ソナーには出力制限があり認識できる範囲はセンサーから3m程度の扇状に拡がる領域に限られていた。つまり、それ以上の距離が離れているものを認識することは難しく、ここが不得意分野であり制限のひとつになっていた。

今夏発売の発売車に新機能を導入

こうした背景を受け、2020年2月3日、トヨタはペダルの踏み間違い時に作動する新しい「急アクセル時加速抑制機能」を開発、2020年夏に発売する新型車から順次導入するとした。

急アクセル時加速抑制機能は、これまでの踏み間違い加速抑制システムの不得意分野だった対象物が直近にない場合であっても、過去の走行データをもとに踏み間違い推定アルゴリズムに基づいた“不要な急アクセル”を検知して暴走事故の抑制が期待できる。つまり、車載センサーの性能に左右されないシステムの冗長性が確保されたのだ。

急アクセル時加速抑制機能での要は、ドライバーによる急なアクセルペダルの踏み込み検知にある。これはまず、アクセルペダルの踏まれ方の特徴を把握することから始まる。そして、この踏まれ方をトヨタが「Data Communication Module/DCM」と呼ぶ通信端末を装着したコネクティッドカーから得られたビッグデータと照合して、急なアクセル操作を必要としない場面であると判断された場合には、たとえ車両前方に他車や障害物がなくても急アクセル操作には反応せず、結果、急加速が抑えられる。

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