新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響で延期になった東京オリンピック・パラリンピックの新たな日程が決まった。
組織委員会は3月30日の理事会後、森喜朗会長とバッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長が電話会談を行って、オリンピックは来年7月23日開幕で17日間、パラリンピックは8月24日開幕で13日間の日程に決定したことを発表した。
日程でいうと「1年程度」の延期そのまま。日にちは1日ズレたが、曜日は同じだ。延期の決定までは、世界から「遅い」と批判されたが、バッハ会長が当初「4週間以内に決める」としていたのが、延期決定から1週間で決まった。今回は素早い。
決めたら決めたで、さっそく批判も出る。報道によると、アメリカではUSAトゥデー紙(電子版)で「無神経の極みだ。世界中が疫病と死と絶望に包まれている時に、なぜ日程を発表する必要があるのか。せめて暗いトンネルを抜けて光が見える時まで待てなかったのか」などとIOCを批判した。
ニューヨーク・タイムズ(電子版)では「東京が最も暑い時期に行われることになる」と指摘し、夏の開催は新型コロナウイルスの感染が拡大する前から懸念事項となっていたと伝えた。
1年後に終息しているかどうかはわからないが…
新型コロナウイルスの感染拡大が、来年7月にどうなっているかは、専門家でもわからないのが今回の厄介なところ。来年開催ができるかどうかも不透明なのは選手も含めてみんなが承知している。
しかし、延期と決めた以上、さまざまな準備をするには日程を早く決めたほうがいいのは明らかだ。世界に向けて発表せずに、近くなってから突然「7月23日からやります」ではないだろう。まだオリンピック代表を決める予選が開催されていない競技も数多くある。感染拡大の状況とにらめっこしていくしかない。
なにより、日程に関しては東京大会で約1000億円など莫大な放映権料をIOCに支払う、アメリカのテレビ局NBCの意向が最も反映されているとされる。秋以降にNFLやNBAのシーズンとなるアメリカでは、7、8月はコンテンツとして都合がいいので、東京に限らず、夏季五輪開催に立候補するには、北半球ではこの「暑い時期」の日程しかないのが実情だ。批判するならアメリカのメディア同士でやってほしいのだが。
日本としては、その期間の会場確保ができたということだ。競技、種目ごとのタイムスケジュールは出ていないが、今年の開催と同じ、大会第○日の同じ時間に組める算段ができたと思っていい。
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