「満員電車は死ぬぞ」コロナでロンドン市長訴え

外出制限でも地下鉄は運行、通勤者で混雑

コロナウイルス感染拡大を受け外出制限が指示されたロンドンの地下鉄駅。人との距離を空ける「ソーシャル・ディスタンス」は2mと駅頭に掲げられていた=3月22日、チジック・パーク駅(筆者撮影)

新型コロナウイルスの感染拡大が欧州で止まらない。イギリスのボリス・ジョンソン首相は3月23日夜、感染拡大を食い止めるため、テレビ演説で国民に対し罰則を伴う厳しい外出制限を指示した。一方で、都市機能を維持するため、依然、地下鉄やバスは減便しながらも走り続けている。

交通機関の運行停止は考えず

イギリス政府は目下、ウイルス疾患による重症者の同時発生をできるだけ食い止めるため、ウイルスの拡散防止を目指した施策を次々と打ち出している。人工呼吸器で生命をつなぎとめられる患者数の対応に限界があるためだ。

そんな中、ジョンソン首相は3月19日、「ロンドンの交通機関の運行停止はまったく考えていない」とウイルスの封じ込め手段には「逆張り」と思える政策を打ち出した。これは、さまざまな事情で職場などに向かわなくてはならない人々に対し、通常と同様の出退勤ができる交通インフラの維持を最優先課題としているためで、医療機関に向かう医師や看護士らの利用も少なくない。地方に行く「ナショナルレール」の列車や、長距離バスの運行も減便しながらも続いている。

イギリスでは23日の首相演説の前までに「可能な人は全員、在宅勤務で」「集会に加え、パブやクラブ、劇場は閉鎖」「レストランやカフェも着席での飲食は不可、テイクアウトのみ」といった方針を決め、外出者削減のための措置を徐々に強めてきた。

一方で「休むとお金がなくなる」と心配する人が無理に働いてウイルスをばらまくという懸念から、財務省は「賃金の8割は職場が閉まって働けなくなっても、基本的に保障する」という驚愕の政策を打ち出した。これが出た途端、急速に客足が遠のいた飲食店の多くが「政府保障があるなら閉めよう」と一気に店舗閉鎖に踏み切った。

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