「『総合スポーツ』の川上から川下まで、全部見ています。変えるところ、変えないところを徹底的につきつめた。でも、サッカーはいまだにまったく素人。今見てもわからない(笑)」と、熊本はくったくなく語る。
「東京ヴェルディ&日テレ・ベレーザ新体制発表会見」で、社長の羽生英之が示したフローチャートでは、熊本はサッカーからトライアスロン、ホッケー、陸上、野球、さらにはeスポーツまで、東京ヴェルディグループの「総合スポーツ」のブランドマネジメントをするクリエイティブセンターを統括するセンター長になっている。
「ヴェルディは単なるサッカーチームとしてだけではなく、多様なスポーツ種目(スクール)を持ち、子供たちに多くの選択肢を提供したいと思います。また、スポーツを通した人材育成に注力した育成組織を強化していきたいですね」(東京ヴェルディの羽生社長)。
このコラムでは何度も取り上げているが、Jリーグ百年構想には、『サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること。』という項目がある。
これに照らして考えれば、「総合スポーツ」として企業再生を目指す東京ヴェルディの取り組みは、Jリーグチームの「正統な進化系」だといってよいだろう。個々のスポーツではなく、スポーツ全体をマネジメントして、より魅力的なものにし、国民の健康増進に資する。それこそが、Jリーグ「百年の計」なのだ。
野球側の僕らが頑張らないと
熊本浩志は、現時点での状況を語る。
「組織内の不協和音はもうないですね。去年のうちにみんなやっちゃったから。変わっちゃったら、もうない。51年目の新たなスタートを切るだけです。“ヴェルディって東京の象徴だね”となるなかで、野球側の僕らが頑張らないと」
野球界に、サッカーサイドから、思いもかけない一矢が放たれた。これがどんな反響をもたらすか。”コロナ禍”を乗り越えた後に始動するチームをワクワクして見つめていきたい。
(文中一部敬称略)
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