新「MacBook Air」が大ヒットする2つの理由 人気薄型ノートPCが1年半ぶりに「大幅刷新」

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まずパフォーマンス不足、というよりはけたたましくファンが回転してしまうタイミングは、iMovieやPremiere Rushで4K動画の編集をしたり、書き出しを行っているときだ。またKeynoteにビデオを貼り付けて再生しようとしたり、複雑なエフェクトを試す際にもファンが回り、キーボード部分がじわりと熱を帯びる。

しかしファンが回ったのはそれぐらいで、そのほかの大半の作業中はファンの音もなく静かなキーボードの音が聞こえるだけだった。

2018年、2019年のMacBook Airは、第8世代1.6GHzデュアルコアIntel Core i5しか選択できなかった。今回の第10世代1.1GHzデュアルコアIntel Core i3は、以前のモデルと処理速度は同等だが、グラフィックス性能は8割向上しており、手元のマシンのベンチマークでは2倍以上の性能を記録した。

13インチRetinaディスプレーは自然な発色で、設定によって高精細で文字の大きさを拡大したり、より広い作業スペースを確保することもできる。大型トラックパッドは使いやすい(筆者撮影)

2020年モデルのMacBook Airでは、より性能のよいプロセッサーが用意され、1.1GHzクアッドコアIntel Core i5、1.2GHzクアッドコアIntel Core i7の選択が可能だ。前述の動画やグラフィックス処理の頻度が高い場合は、16GB、クアッドコアのプロセッサーを選択しておくとよいだろう。

不評だったキーボードを刷新し、プロセッサーの選択肢を与えたことで、より広い顧客層にフィットするスタンダードモデルへと進化したMacBook Air。

昨今のリモートワーク需要で、もう1台作業用のコンピュータが家に必要、という人にとって、最も価格が安いエントリーモデルでも十分な性能を発揮してくれる点はうれしい限りだ。

MacBook Airは3つのマイクを搭載し、ノイズキャンセリングをしながらクリアに声を伝えられるよう工夫されている。またTouch IDを搭載しており、コンピュータへのログインやスリープからの復帰、ウェブでのパスワード入力を人差し指のタッチで済ませることができる点も、快適さを増してくれるだろう。

改善可能なはずの残念なポイント

しかし、簡単に改善可能なはずのポイントを放置している不満もある。リモートワークといえばビデオ会議とチャットの組み合わせが一般的だが、ディスプレー上部に用意されているFaceTime HDカメラは1280×720ピクセルと、フルHDやそれ以上の解像度で相手に映像を届けることができない。

これだけリモートワークが世界中で注目を集めている中、解像度の低いカメラはMacBook Airの欠点として際立ってしまう。またプロセッサーに関してクワッドコアを選択可能であれば、メモリーについても16GB以上搭載できるようにしてもよかったはずだ。

この2点を除けば、MacBook Airは、性能、コスト、そしてメインマシンとして長く利用できるブランドの発展、いずれを取っても非常に優れた製品であると言える。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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