新「MacBook Air」が大ヒットする2つの理由 人気薄型ノートPCが1年半ぶりに「大幅刷新」

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2018年のモデルチェンジで、当時のMacBookシリーズの統一仕様だった「バタフライキーボード」がMacBook Airにも搭載された。本体の薄型化を極めるため、0.55mmと極めて浅いキーボードが採用されたが、これは2015年から不評で、不具合の報告も多かった。

そこで2019年10月に発表された最上位モデル、16インチMacBook Proからは、深さ1mmに変更されたはさみのようにキートップを上下させるシザー方式の「Magic Keyboard」が採用され、今回のMacBook Airにも採用された。キーボードの深さが増したため、本体の厚みは0.41~1.61cmと、ヒンジに近い部分が2018年モデルの1.56cmから0.5mm厚くなっている。

持ち比べたところ0.5mmの違いを明確に感じることは難しく、むしろ重さが40g増したことのほうをやや感じる程度だ。しかしこのわずかな変化のおかげで、キーボードの使い心地は大きく改善した。

仕事がはかどるキーボード

これまでのMacBook Airに搭載されたバタフライキーボードは、キーを押し込むとすぐ底打ちし、余った力のやりどころがなくなる。跳ね返る力も弱いため、自分で指を意識的に上げ下げする必要がある。確かになぞる感覚を心得れば、軽快なタイピングが可能だが、それはあまり一般的ではなく、音は大きめだった。

新モデルのMagic Keyboardで感じることは、まず音が非常に静かになったことだ。力をかけても、ノートパソコンにありがちな、そして前モデルでも際立っていた「ぱちぱち」という音は抑えられている。これはオフィスや公共の場所での作業にとって非常に有利だ。

またキーの深さ以上に、Magic Keyboard向けに独自に開発したというラバードームが絶妙な感覚だ。適度な力加減を受け止めて、次の運指に向けて指を跳ね返す。手元にある巨大なトラックパッドも合わせて、外付けのキーボードやマウスを用意しなくても快適な作業環境が手に入る点は、MacBook Airの大きな魅力だ。

MacBook Air(Early 2020)ゴールドモデル。1.29kgのアルミボディは高い質感を誇る(筆者撮影)

筆者がテストしているのは1.1GHzデュアルコアIntel Core i3、メモリー8GB、256GBストレージを搭載する、価格10万4800円、学生・教育関係者向け9万3800円の最も安いモデルだ(価格はいずれも税別)。

メーカーが用意するテスト機は、性能も価格も最も高いモデルを用意することが多いのだが、今回あえてベースグレードを試すことができ、最も価格が安いモデルのパフォーマンスを知ることができた。この点は、収穫が大きかった。ベースモデルは、極めて高いコストパフォーマンスを発揮することがわかったからだ。

筆者は普段、テキストエディターUlyssesで原稿を書き、Microsoft Wordで構成をし、AppleのKeynoteでスライドを編集し、Adobe Lightroomで写真を調整し、iMovieもしくはAdobe Premiere Rushで動画を編集している。

そのほかに、ウェブブラウザーSafariでの情報収集や、Slack、メールでのコミュニケーションを行う。基本的には、主たる作業の背後で、カレンダーやリマインダーなどのアプリが起動している状態だ。

おそらく多くの学生や一般的なオフィスユースにおいては、これらの作業が一般的なレベルではないか、と思う。その環境で5日間ほど作業をしてみた。

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