米先物が下落でも日経平均が334円高のワケ 一時は1万7000円を回復、売買代金も膨らむ

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 3月23日、東京株式市場で日経平均は反発した。写真は東京証券取引所で2018年2月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 23日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反発した。時間外取引で米株先物が軟化したほか、アジア株式市場も波乱商状となる中で、東京株式市場では年金や日銀のETF(上場投資信託)買いに対する期待が下支えとなり、買い戻す動きが活発化し底堅く推移した。東証1部の売買代金は4兆0152億円となり、連日の4兆円超となった。

新型コロナウイルスの影響はとどまるところを知らない。世界各国では外出禁止令を実施する国が増えたほか、東京オリンピック・パラリンピックの延期も現実味を帯び始めるなど、依然として警戒感が強い。

米株先物が時間外取引で下落するほか、アジア株式市場も波乱商状となる中、日本株は粘りを示した。日経平均は前場では一時マイナス転換する場面もみられたものの、後場にかけて上げ幅を拡大。一時1万7000円台を回復するなど、総じて底堅い動きとなった。

日銀は19日、1日の購入額としては17日の1216億円を上回って過去最大となる総額2016億円のETFを買い入れたと発表。今後も同水準の買いが継続するとの期待があったほか、年金などの買い観測もあり、買い戻しが優勢となった。

TOPIXは4日ぶり反発。東証33業種では、非鉄金属、保険業、倉庫・運用関連業、医薬品などの26業種が値上がり、空運業、精密機器、小売業などの7業種が値下がりした。19日に12.77まで下落したNT倍率<.NTIDX>はこの日13.27まで上昇。市場からは「先週までNT倍率は歴史的な乖離を広げていた。日銀が日経平均に優先してETFの買い入れを先行した可能性もある」(eワラント証券・投資情報室次長の多田幸大氏)との声が出ていた。

日経平均とTOPIXの動きについて市場からは「従来の常識からは全く捉えられない動きとなっている」(国内証券)との声も聞かれた。「日銀や年金がいつもと異なる買い方を行い、日本には買い手がいるというインパクトをわざと見せつけるような動きのようにもみられる」(同)という。

そのほか個人投資家の動向も注目された。「追い証発生で退場を余儀なくされる投資家がいる一方、中長期狙いで現物を安値で買おうとする動きが出てきた」とした上で「これらの資金は本来臆病な性格のものであるため、この動きは見逃せない」(別の国内証券)との声が出ていた。

個別ではソフトバンクグループ<9984.T>が自己株取得と負債削減のために最大4.5兆円の保有資産売却・資金化を決定したと発表したことが好感され、一時ストップ高となり、日経平均を約110円押し上げている。

東証1部の騰落数は、値上がり1613銘柄に対し、値下がりが527銘柄、変わらずが26銘柄だった。

 

日経平均<.N225>

終値     16887.78+334.95

寄り付き   16570.57

安値/高値  16,480.95─17,049.03

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1292.01 +8.79

寄り付き     1278.86

安値/高値    1,261.62─1,296.98

 

東証出来高(万株) 269739

東証売買代金(億円) 40152.34

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