専門性がないと悩む女性も焦らなくていい理由 人生後半戦こそ幸せに働くためにできること

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「セカンドキャリアを考えるのに、男女は関係ないのでは?」とよく言われます。実際、講義内容は男女でそう変わりませんが、定年後を取り巻く状況はまったく異なります。

これまで「定年」は男性のものでしたが、男女雇用機会均等法から30年余りが経ち、女性も定年を迎える時代になりました。ただ、「60歳のスーツを着たおばさんがいる」ことが世の中に認識されていないような感覚があります。

西村美奈子(にしむら みなこ)/Next Story 代表。昭和女子大学現代ビジネス研究所で「働く女性のセカンドキャリア」を研究。研究結果をもとに「マチュア世代の働く女性のセカンドキャリア」支援事業を展開(写真:西村美奈子)

例えば「女性活躍」で推進されている女性のキャリアアップや仕事と家庭の両立といった話は、主に20〜40代の女性に向けたもの。じゃあ「シニアの活用」はどうかというと、そこで想定されているのは定年後の男性です。つまりシニアの女性が抜け落ちてしまっているのです。

これまで少数だった「定年後のシニア女性」が一定のボリュームを持った新しいクラスターとしてこれから世の中に出てくる。今はそういうタイミングです。まだ、セカンドキャリアの事例となるような先輩女性そのものがあまりいない状況です。会社で行われた役職定年前の研修でも、参加者の中に女性は私1人だけでしたし、定年後がイメージできないのも当然ですよね。

実際に女性向けのセカンドキャリア支援の研修を始めるようになって、高いニーズがあることを実感しています。ほとんどの方は自らこの研修を探し、自費で申し込んでくださっていて、皆さん悩みを解決しようと真剣です。中には福岡からわざわざ東京にお越しになる方もいらっしゃいました。

参加者の多くは、男性と同じように会社で働いてきた、経済力もビジネス感覚もある方たち。非常に優秀ですから、定年後にその力を使わないのはもったいないと強く思っています。

「自分には何のスキルもない」と焦る必要はない

30〜40代の女性の中には「特別な専門性やスキルがない」と将来のキャリアを不安に思う人も多いと思います。私も同じように思っていたので気持ちはわかります。ただ、これは今だから言えることですが「自分には何のスキルもない」と焦る必要はないのだと思います。

まだまだ準備の時間はありますから、まずはこれまでやってきた仕事の要素を分解してみましょう。「今やっている仕事は潰しがきかないから、会社を辞めたら何もできない」と思っていたとしても、その仕事を細かく分解していけば、他の会社や分野でも使えるスキルは必ず見つかります。

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