専門性がないと悩む女性も焦らなくていい理由 人生後半戦こそ幸せに働くためにできること

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だからこそ、自分を押し殺して誰かのために頑張るのではなく、「自分がやりたいこと」をセカンドキャリアでは目指してほしいと思うのです。夫や子どもがいようと、やはり最後は自分の人生です。何をしたいかわからない人は、「どういうときに自分が楽しくなれるのか」「何が好きなのか」など、まずは自己分析をしてみましょう。

やりたいことを実現するために、新しく何かを始めることだってできます。先日お会いした方は70歳でキャリアコンサルタントの資格を取って、現在は週4日キャリア支援の仕事をしているのだそうです。そうやって「自分のやりたいこと」をやることで、結果的に誰かのためになれば理想的ですよね。「マズローの欲求5段階説」でも、自分の能力を人のために活かすことができたとき、人は一番幸福を感じると言われています。

行動すれば、道は見えてくる

目指す方向によって準備すべきことは変わってきますので、「海と山のどちらを目指すのか」だけでもわかれば、とりあえず動き始めることはできます。そうやって動いてみれば、次にやるべきことも見えてくるものです。やはり動かなければ何も始まりません。

私が女性のセカンドキャリアを支援したいと思ったときも、何をどうしていいかまったくわかりませんでしたが、動いてみれば「これは面白そうだからもうちょっとやってみよう」など、自然と進むべき方向がわかっていきました。

やってみて違ったと思うなら方向転換すればいいですし、何をやるかも、どのくらい働くかも、いつまで続けるかも、すべて自分で決められることがセカンドキャリアの最大の利点です。そんなに難しく考える必要はありません。

実際、セカンドキャリアがうまくいっている女性は、総じて明るくて前向きで、楽観的です。男社会の中で理不尽さを感じたり嫌な経験をしたりしてきたぶん、「マイナスなことに構っていないで次にいこう」という切り替えが早いのだと思います。もちろん悩んで紆余曲折していますし、うまくいかないこともありますけど、「それはそれでいい経験になった」と捉えて、暗く落ち込むことはない印象です。

セカンドキャリアこそ、自分のやりたいことにチャレンジするチャンス。そしてやりたいことをやっていれば、自然とイキイキ過ごせるものです。自分で選ぶことを大切に、人生のオーナーシップを持つことが、充実した後半戦を送る第一歩になるのだと思います。
                        (構成 天野夏海)

西村 美奈子 Next Story 代表

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にしむら みなこ / Minako Nishimura

昭和女子大学現代ビジネス研究所で「働く女性のセカンドキャリア」を研究。研究結果をもとに「マチュア世代の働く女性のセカンドキャリア」支援事業を展開。

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