歯石を除去すると「歯茎がしみる」と感じるワケ 原因は歯茎ではなく歯根の「知覚過敏」にある
知覚過敏とは?
知覚過敏とは、歯の白い部分(エナメル質)のさらに下の層にある象牙質がなんらかの刺激を受けて、しみたり、痛みが起こるものです。
歯周病のメインテナンスでは歯にこびりついたプラークや歯石をスケーラーという器具で徹底的に取り除きます。プラークは歯周病菌をはじめとした細菌の集まりであり、プラークを放置しておくと歯周病が再発しやすいためです。
歯周病の患者さんには自宅でのセルフケア(歯みがき、デンタルフロス、歯間ブラシなど)が重要であることをお話しし、やり方を指導しますが、それでも患者さん自身のケアで完全にプラークを取り除くことはできません。
歯周病になると多くの場合、歯周ポケットができるため、ここに歯周病菌が入り込み、歯の根元である歯根にプラークや歯石がたまりやすくなります。
スケーラーでプラークや歯石を取り除くと歯根の表面はツルツル、ピカピカになります。
しかし、この歯根は象牙質でできているのでメインテナンスの刺激により、知覚過敏が起きることがあるのです。象牙質には表面に小さな穴がたくさん開いており、奥の歯髄(神経)に至る管になっています(象牙細管という)。この象牙細管への刺激がしみたり、痛んだりという症状につながるのです。