いずれ来る「脱コロナ」を前に、期待できる企業 AI塾、顔トレ、脱100均・・・経済活動は死なず

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ミニストップ(9946)

【集客策】1月よりコーヒーを80円に値下げ、朝食客獲得とパンなどとの買い合わせ促進。今後はソフトクリーム店などコンビニ以外の形態増加による店舗増を目指す。

今やコンビニの主力製品のひとつとなった淹れたてコーヒー。セブン-イレブンやファミリーマート、ローソンなどの大手がSサイズを100円で販売しているが、ミニストップは80円で勝負に出ている。菓子パンやサンドイッチ、中華まんなど、コーヒーと一緒に買われることが多い商品を充実させることで、客単価を底上げする戦略だ。実際、1月の既存店売上高は3.5%増。2月はうるう年ということもあるが、同2.7%増となった。同社は2019年7月に「単品おにぎり毎日100円」としておにぎりの値下げにも踏み切っている。毎日安心して買える価格で客を取り込む。

店内で加工するファストフードを初期から取り入れるなど、他社とは異なる手法を貫いてきたミニストップ。「脱コンビニ」の施策によって苦境からも脱することができるか。さらなる独自性が問われそうだ。

おしゃれなアイテムも強化するキャンドゥ

キャンドゥ(2698)

【脱100均】7月、品ぞろえ強化目的に200円から500円商品を発売。NB品軸に品目と店舗を順次拡大。

かつて100円均一ショップは、大手のダイソーに牽引される形で、脱100円の動きを進めた経緯があるが、目立った成功を手にすることはできなかった。その後、セリアがショッピングモール向けにおしゃれな雑貨を充実させた新業態「セリアカラー・ザ・デイズ」を2009年に出店、これが高成長に結び付き、現在では、各社ともデザイン性に富んだアイテムの提案を強化している。キャンドゥもインスタグラムなどのSNSでおしゃれな商品の発信を強化してきた。

キャンドウは今2020年11月期、フランチャイズ展開の強化や店舗の多面的な見直しなど、構造改革を実施している最中だ。その中の商品戦略の1つが「脱100円均一」の動き。差別化も進めるとしており、新商品で店頭がどのような変化を見せるのか、消費者としても注目したいところである。

いずれにせよ、マーケットが混乱状態でも、企業の力強い活動は現在も続いている。『四季報』今号では、新型肺炎の影響を織り込んだ会社も多いが、魅力的な材料を盛り込んだ会社も多数並んでいる。ここは見逃さないようにしたい。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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