さらば「スーパービュー」、伊豆の観光列車列伝 往年の列車から「サフィール」まで写真で紹介

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伊豆半島方面への列車としては、1991年3月ダイヤ改正で小田急とJR東海の共同運行になった特急「あさぎり」も特筆される。

御殿場線を走るJR東海の371系特急「あさぎり」(筆者撮影)

小田急新宿駅から御殿場線経由で沼津までを結ぶ列車で、小田急は新形ロマンスカー20000形「RSE」、JR東海は371系を新造し、ともに眺望重視の一部2階建ての観光電車として話題となった。沼津からはそれぞれ専用バスにより西伊豆方面に接続し、沼津港からは高速船で土肥、松崎港を結んだ。

だが、リゾート21やSVOといった花形列車の登場でにぎわいを見せた伊豆の観光は、1990年代半ば以降、バブル崩壊や群発地震、さらに東日本大震災などで衰退の一途をたどった。

伊豆の鉄道と観光に新時代到来

伊豆急は在来の電車のリニューアル化などで鉄道復権を図ってきたが、その起死回生といえる電車が2017年7月に登場した「THE ROYAL EXPRESS」である。1993年デビューの「アルファ・リゾート21」を改造した車両で、横浜―伊豆急下田駅間で観光クルーズ列車として運行を開始した。この電車は2020年夏、JR北海道の活性化を図る目的で北海道内をクルーズ列車として運転される予定である。

2020年3月14日にデビューする「サフィール踊り子」(筆者撮影)

そして「スーパービュー踊り子」の運転開始から30年を経た2020年、新たにE261系「サフィール踊り子」が東京・新宿―伊豆急下田間にデビューする。SVOとは異なり全席グリーン車とさらに格上の「プレミアムグリーン車」という豪華な車内で、定期特急列車でありながら、さながらクルーズ列車といえよう。

4号車は形式に食堂車を示す記号「シ」が付く、本格的な食堂車の造りのカフェテリアで、ここでは「ヌードル」が供食される。「当面はラーメンだが、ゆくゆくはパスタなど麺類すべて……」というが、食堂車が好きな筆者としては各種会席弁当などのメニューも欲しいところだ。

東京―伊豆急下田の合計料金は、プレミアムグリーンが1万1430円、グリーンが9110円。さて同時期に登場するE257系リニューアル車の「踊り子」とどちらを選ぶかは懐具合といったところである。

南 正時 鉄道写真家

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みなみ・まさとき / Masatoki Minami

1946年福井県生まれ。アニメーターの大塚康生氏の影響を受けて、蒸気機関車の撮影に魅了され、鉄道を撮り続ける。71年に独立。新聞や鉄道・旅行雑誌にて撮影・執筆を行う。

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