さらば「スーパービュー」、伊豆の観光列車列伝 往年の列車から「サフィール」まで写真で紹介

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1976年1月には、157系の特急「あまぎ」のうち、臨時および季節列車の各1往復が新型特急車両の183系に置き換わり、3月には定期列車の「あまぎ」2往復を含めすべてが183系に置き換えられ「天城山とわさび」の絵入りのヘッドマークが取り付けられた。

183系の特急「あまぎ」(筆者撮影)

1981年10月のダイヤ改正では、急行「伊豆」に通勤・特急両用として開発された185系電車が登場し、やがて「あまぎ」も「伊豆」も、特急「踊り子」に統合された。

白いボディーに緑の斜めストライプが入った185系は、現在もなお活躍を続けている。

「リゾート21」やSVOで華やぐ鉄路

1985年7月、伊豆急に画期的な展望電車「リゾート21」がデビューした。伊豆東海岸の観光客誘致を目的とした電車で、前後車両はひな壇式の展望車、車内客席は海側に向いた座席という斬新な車内設備にもかかわらず、特別料金を取らない普通列車として運転されることで話題となった。

伊豆急行の「リゾート21」。特別料金不要ながら展望席などを備えた電車として注目を集めた(筆者撮影)

このときの報道公開では中間の「サロン・イベント」車にエレクトーンを設置、生演奏を披露するなど、伊豆急の観光誘致が並々ならぬものを感じた次第。このユニークな電車は1986年に「鉄道友の会」が優秀車両に贈る「ブルーリボン賞」を受賞した。

翌1987年には国鉄のグリーン車にあたる「ロイヤルボックス」が登場し、さらに国鉄民営化後の1990年2月にはリゾート21をさらにグレードアップした「リゾート21EX」の運転を開始した。

この電車は、トンネル区間の多い伊豆急線内を走ることから、トンネル内で天井に星空を映し出すスターダストルーフの「ロイヤルボックス」を連結して話題となった。また、臨時列車「リゾート踊り子」として東京駅への乗り入れも果たしている。

1990年のゴールデンウィーク前には、JR東日本の新形特急251系「スーパービュー踊り子」(SVO)が運転を開始。時おりしもバブル絶頂期で、各地の鉄道ではジョイフルトレイン、イベント列車が次々と登場し伊豆の観光ブームは頂点を極めた。

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