さらば「スーパービュー」、伊豆の観光列車列伝 往年の列車から「サフィール」まで写真で紹介

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1961年12月10日、伊東―下田(伊豆急下田)間に待望の私鉄、伊豆急行が開業した。同線は1956年2月に東京急行電鉄(現・東急)が伊東―下田の東海岸に沿って地方鉄道敷設免許を申請し、1960年2月に伊東―下田間の工事に着工。開業と同時に国鉄伊東線との相互乗り入れを開始した。

これによって東京―伊豆急下田が直通電車で結ばれ、伊豆半島の交通手段は一段と多様化した。国鉄の153系電車による直通準急「伊豆」「おくいず」が下田まで乗り入れるようになり、伊豆半島東海岸のアクセスは格段に便利になった。

伊豆急が開業にあたって導入した電車は100系といわれる2扉車で、座席は当時の急行列車仕様のボックスシートを備えており、観光地への電車にふさわしい装備を誇っていた。

急行「伊豆」や特急「あまぎ」…

東海道新幹線の開業に伴う1964年10月1日のダイヤ改正では、「伊豆」が急行列車に昇格。新幹線の開業によって廃止となった東海道本線の特急「ひびき」の157系電車を転用し、東京―伊豆急下田・修善寺間2往復体制となった。

157系電車は東京―日光間の準急「日光」用として登場した車両だが、特急並みの車内設備を誇ることから「ひびき」にも使われていた。「伊豆」への転用は、安価な急行で特急車両を利用できると歓迎されたものである。伊豆方面初の特急となったのも、1969年4月に157系使用の急行「伊豆」を格上げして登場した「あまぎ」だった。

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