10~20代が調べるときに「ググらない」真の理由 消費者が求めるのは「便利さ」より「時間」

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これは、「便利さ」が売りであったECサイトの品揃えの豊富さに飽きているどころか、「多すぎる情報から選ぶこと」に疲れてしまっている人が増えているということを表している。つまり、ネット検索に時間をかけるのではなく、あらかじめ自分にマッチした情報だけが絞られて出てくるアプリやSNSから必要な情報だけを得る時代にシフトしているのだ。

そして、今後はこのような世代が消費の中心になってくる。そうした変化に気づいていない企業は、そのうち淘汰されてしまうだろう。

では、便利さに飽きてきた消費者に「時間」という新たな価値を提供して、顧客を獲得するために、企業はどんな戦略を取っているのか、ここでは最近の具体的な例とともに説明していきたい。

いまや食品メーカーも「時間」を重視している

消費者のニーズが、「時間」へと移り変わっているのは、ネットショッピングだけの話ではない。これから世の中のありとあらゆる商品は、「消費者の時間をつくること」が最優先となるだろう。

「安全」や「おいしさ」が最も大事であるはずの食品メーカーも例外ではない。今の時代、たいていどこのメーカーの商品もおいしいし、厳しい安全基準の中で製造しているため、これらの点はもはや差別化にはならないのだ。

そこで近年、食品メーカーが新たにテーマとしているのが、消費者の時間をつくるという「時間ソリューション」である。

例えば今、スーパーや鮮魚店で生の魚を1匹丸ごと買う人は減っている。現代人は仕事や育児で忙しく、魚をさばく時間、調理する時間がないからだ。野菜など他の食材もそうだが、「1個丸ごと」の代わりに売れているのは、カット済みの商品だ。家でグリルやフライパンで簡単に調理するだけで、食卓に並べることができる。

コンビニエンスストアの店内で、このところ冷凍食品が増えていることに気づいている人もいるだろう。実は近年、おいしさや鮮度を保つ急速冷凍技術が向上していることもあり、おいしい冷凍食品が昔よりも増えている。そこに、料理の時間を減らしたい消費者のニーズが高まったことも相まって、コンビニ各社は冷凍食品のラインナップを充実させているのだ。

Oisix(オイシックス)や生活協同組合(生協)も冷凍食品に力を入れているが、それだけではない。カットされた肉や野菜などの食材をセットにした「ミールキット」の販売にも積極的だ。こうした商品を買えば、食材選びやカットをする時間が省略されるし、余った食材をどう使うかといったこともあまり考えなくていい。

こうした「簡便商品」「時短商品」などと呼ばれる商品が、「レンジで温めるよりも実際に火を通したものを食べたい」「でも料理の時間を短くしたい」「もっと家族との時間を増やしたい」といった人たちの好評を得ているのだ。

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