首脳会談実現のカゲで日本が”譲歩”したこと 日米韓首脳会談のために水面下で行われた取引とは?
かねてより懸案だった日韓の首脳会談が25日に実現する運びになった。昨年2月25日の就任以来、安倍晋三首相との会談を拒否してきた朴槿惠韓国大統領が折れた背景には何があるのだろうか。その思惑の裏には何があるのか。果たして日韓関係は改善されるのかなどについて考察してみる。
教科書検定の結果発表を延期
「3月26日に公表されるはずだった教科書検定の結果発表が、4月5日に延期になった」
この一報を耳にしたのは、3月中旬だった。安倍政権はその発足以来、教育再生をその柱のひとつとして掲げている。今年1月には学習指導要綱を改定し、教科書に政府見解を反映させるなど自虐史観が強いとされた戦後の教育体制からの脱却を目指している。
発表延期の理由はどこにあるのかといえば、24日と25日にハーグで開かれる核安全保障サミットに合わせた日米韓首脳会談を開催するためだ。ロシアのクリミア侵攻と北朝鮮の金正恩体制に危機感を抱くオバマ米国大統領が、西側の結束を示すために、この3首脳会談を提唱したと言われている。
「韓国は日本の教科書内容に反対している。25日に首脳会談を行い、その翌日に検定結果を発表されると都合が悪い。そこで4月にずれ込ませたようだ」。事情を知る関係者はそう話す。確かに韓国は1月の学習指導要綱の改定時に、「今回の改正が日本の育ちゆく世代に誤った歴史を教えることで韓日の葛藤を後世に継がせる手段になってはならない」と日本を厳しく牽制した。
文科省は「発表が遅れるのは委員の日程のため」と政治的背景を否定しつつ、発表時期については「4月5日以降」や「未定」と明確にしていない。問い合わせには「触れないでくれ」といった様子だ。
では政治的外交的な圧力が全くなかったのか。調べていくうちに、水面下で様々なやりとりがあることを耳にした。「韓国から日韓首脳会談開催の条件として、前々から多くの要求が来ている」(外交筋)。
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