首脳会談実現のカゲで日本が”譲歩”したこと 日米韓首脳会談のために水面下で行われた取引とは?
そこで以前に奇妙だと感じたことを思い出した。今年2月18日に韓国で開かれたアジア経済金融協力国際会議に出席した財務省の山崎達雄国際局長がいきなり、「通貨スワップを前向きに検討する」と述べたことだ。
日韓通貨スワップ協定は30億ドル分が昨年7月3日に期限を迎えたが、金仲秀韓国銀行総裁が「日韓両国のためになるのであれば延長してもいい」と大上段に述べたのに対し、菅義偉官房長官が「日本にとってのメリットはない」とばっさり斬り捨てている。
韓国からシグナル?
そもそも日韓スワップは麻生太郎財務相が延長について最も強く反対していたにも関わらず、唐突に局長レベルで復活させようというのは不自然だ。しかも通貨スワップ復活の件は官邸に届いていなかったようで、菅長官は2月21日会見で「聞いていない。判断は政府でする」と不快感を露わにしている。おそらくは韓国側から財務省の事務方に何かしらのシグナルが送られたのではないか。同じやり方で教科書検定について、文科省がターゲットになったのではないか。
実際に教科書検定の結果発表について、19日付けの朝鮮日報が「首脳会談の実現のために延期した」と明記。いち早く報じている。
河野談話では、その作成に韓国が関与したかどうかが問題になっている。国家の意思決定に外国が干渉することは、内政干渉として違法とされるからだ。ただし現実の国際社会は弱肉強食。ずる賢いようにみえたとしても、うまくやった方が生き残る。
朴大統領はハーグで日米韓首脳会談を行うと同時に、中韓首脳会談をも行うことを発表した。朴大統領が習近平中国国家主席と会談するのは4度目だ。中国も日本に歴史認識の変更を求めているいわば同志。中韓首脳会談は日本を、そして同時にアメリカを牽制する意味もある。これまで「反日」を政治利用してきた朴大統領の手法に対し、日本は果たしてうまく対処できるだろうか。
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