教育基本法って改正したほうがいいの?

まずは公教育の再生を

 私は、小学校から大学までずっと国公立です。また、塾もYMCAの夏期講座に行ったくらいで、ものすごく親孝行な息子だと自負しています。しかし、自分の子どもは私と同じようにはいかないでしょう。

 私が勤めていた東大も入学者の6割が中高一貫校出身となったと言われていました。私学でないと国立大学にもいけないような状況が生まれつつあります。2006年の東大合格者を高校別で見ると上位10校は全て中高一貫のようです(学芸大附属が国立なの以外は全て私立)。

 ちなみに、私立中学校には「どんな天才でも高いお金を支払い塾に行かなければ合格しません」。私立中学の入試には、小学校では教えない問題が出ますから、どうしても塾で学ぶ必要があるわけです。

 親が金を持っていなければ、十分な教育を受けれないような状況になれば、どんどん格差は拡大していきます。これは世帯間格差の問題でなく、大都市と地方といった都市間の所得格差でも同じです。三位一体の改革があり、税収が上がらない地方では、十分な予算を教育にかえられなくなります。まず「公教育の立て直し」を行い、公教育を真面目に頑張れば、きちんと大学までいけるような制度をつくること。それがまず先決です。

 今、国会では、「愛国心」を法律に書くかどうかを議論していますが、私は「愛国心」は法律で書くよりも、きちんとした国を作れば自然と「愛国心」が生まれると思います。誤解を恐れずに言いますと、私は、わが国の人々は「愛国心」を持っていると思います。これだけ安全で豊かな国を愛していない人はほとんどいないのではないしょうか? これは価値観の問題ですので深入りしませんが、「哲学論争よりも現実をどう変えるか」をまず議論すべきです。

藤末健三(ふじすえ・けんぞう)
早稲田大学環境総合研究センター客員教授。清華大学(北京)客員教授。1964年生まれ。86年東京工業大学を卒業後、通商産業省(現経済産業省)入省、環境基本法案の検討や産業競争力会議の事務局を担当する。94年にはマサチューセッツ工科大、ハーバード大から修士号取得。99年に霞ヶ関を飛び出し、東京大学講師に。東京大学助教授を経て現職。学術博士。プロボクサーライセンスをもつ2女1男の父。


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