日経平均株価は「2万円」では下げ止まらない もし短期反発でも「本質的な2つの下落要因」
1) アメリカの景気や企業収益が低迷しているにもかかわらず、過度の楽観から同国の株価が上昇し過ぎて、極めて割高な状況にあった。
2) 新型肺炎が流行する前から、日本経済や日本企業の収益が、悪化基調を鮮明にしていた。
中期での日米株価の底値メドはいくらになるのか?
こうした2点に沿って、中期的な株価の底値メドを考えてみよう。
まず、割高なアメリカ株価はいつ解消に向かうのか。代表的な指標の1つであるS&P500の予想PERの週平均値(企業収益の予想値は、先行き12カ月間のアナリスト予想を、米ファクトセットが集計したもの)は、2月21日(金)時点では19.0倍で近年の最高値をつけていた。
その前の最高値は18.7倍(2018年1月26日)で、当時も同年2月から株価は調整に入った。今回も、いつ株価が下落に転じてもおかしくない状況だったと言える。近年の予想PERは、通常は15~17倍で推移してきたので、足元のPERが、株価下落によって、通常の推移のレンジの中央値である16倍まで下がる、というのは、全くおかしくない。あるいは、楽観に振れ過ぎた株価は、反動が出ると悲観に振れ過ぎることもあるため、15倍まで低下することも十分ありそうだ。
仮にS&P500指数の下落だけで、PERが15倍に低下する仮定しよう(ここでは、分母の1株当たり利益予想値の下方修正がない、といった楽観的な前提とする)。すると2月28日(金)時点ではS&P500の予想PERは17.35倍であったので、それが15倍に低下するのは、同日からさらに13.5%の株価下落となる。それをNY(ニューヨーク)ダウ工業株指数に当てはめると(NYダウ工業株とS&P500の騰落率が同じだとすると)、同日で終わった週の平均値は2万6635ドルであったため、約2万3000ドルがメドになる。
一方、日経平均株価については、米ドルに換算した日経平均が、S&P500やNYダウ工業株指数と同率変化すると仮定する。そうして米ドル建て日経平均の下値メドを計算し、米ドル円相場を使って、円建て日経平均を求めればよい。
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