子どもについ怒って自己嫌悪に陥る人への対処 「自分を許す」子育て習慣とはいったい何か

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ですから、無理に消そうとすると、脳は「マイナスの出来事に気がついていない」と判断し、そのアラームのボリュームをあげていきます。つまり、イライラや不安は「消そうとすることで増幅されていく」のです。

また、脳のクセもこれに拍車をかけます。

「○○しない」と決めると、そのことをしたくなる、という特性が脳にはあります。試してみましょう。今から1分間、ゾウのことを考えないようにしてください。

……どうでしょう。頭にゾウが浮かんできて、それを消すのに苦労したのではないでしょうか。「○○しない」という決意は実行するのが難しいことがわかっています。そのため、例えばダイエットでは、「甘いものを食べない」ではなく、「健康的な食事をとる」と決めたほうが成功率は高くなります。「○○しない」という決意は、かえってそのことに脳が執着する原因になってしまうのです。

幸せな子育ては「自分を許す」ことから始まる

イライラがなくならないとしたら、私たちはどうしたらいいのでしょうか。

自分に対して「イライラしていい」という許可を出すことです。逆説的ですが、「イライラしていい」と自分に許可を出した瞬間に、イライラはぐっと減っていきます。このような許可を出すと、「イライラという感情があることに気づいているんだ」と脳が判断するため、イライラのアラームが増幅するのを防ぐことができるからです。

そしてこの許可を出す行為は、自分自身を許す「自己受容」にもつながります。自分を受け入れることができれば、それは気持ちの余裕にもつながりますから、イライラが膨らむこともないでしょう。

真面目な人ほど子育てが始まると、初めてのことばかりで「うまくいかない自分」を責めがちです。しかし、幸せな子育てを実現するためには「親自身が幸せであること」がとても大事な要素だと私は考えています。

最初からすべてがうまくできる人なんていないわけですから、まずは「自分を許す」ことから始めてみてはいかがでしょうか。そのために、非常に簡単で効果的なのが「鏡に映る自分にねぎらいの言葉をかけてあげる」ことです。

新しい習慣をつくるときには、今やっている習慣につけ加えるのがポイント。例えば歯磨きの後にやってみるなど、ぜひとも今日から実践してみてください。

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