子どもについ怒って自己嫌悪に陥る人への対処 「自分を許す」子育て習慣とはいったい何か

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私たちは往々にして、「存在しない理想の子ども」と自分の子どもを比べてしまいます。

親が起こす前に自分で目覚め、こぼさずにご飯を食べ、自分で服を着て、忘れ物がないかチェックをし、出発時間5分前に靴を履いている……。そんなすごい子どもは、なかなかいないはず(笑)。しかし、親の中の無意識の期待値は、それくらいまで上がっています。

このように期待値が高すぎると、「子どものできないこと」ばかりが目につくようになってしまいます。するとそれに応じてイライラも増えてしまうのです。

では、期待値をコントロールするには具体的に何をすればいいのでしょうか。

それは、日常における当たり前のなかで「ありがたい」と思えることを探す習慣をつけること。これは、「スリーグッドシングス」と呼ばれ、心理学の観点から効果が証明されています。まずは1日3つありがたいことを探すのをゲーム感覚でやってみましょう。

「子どもが夜にちゃんと寝てくれてありがたい」「健康でありがたい」「毎日笑顔をみせてくれてありがたい」など、当たり前のなかに「ありがたい」を見つけられるようになると、期待値は下がり、イライラする回数も減っていきます。

さらに効果的なのは、お子さんや家族みんなで1日3つお互いに「ありがたい」と思えることを見つけて発表しあうと感謝の輪が広がり家族の幸福度が高まるでしょう。

「イライラ」をキャラクター化し、体から取り出す

最後にちょっとテクニック的なことをお伝えします。

「イライラの感情」をビジュアルでイメージし、それにあらかじめ名前をつけておきます。つまり「キャラクター化する」わけです。

例えば、色はオレンジで、ギザギザの輪郭を持つ生物、名前は「イララちゃん」など。イライラしたら、その「イララちゃん」を思い出し、吐く息とともに「体から出す」ことをイメージします。

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これは認知心理学の用語で解説すると「メタ認知」の活用です。メタ認知とは、簡単に言えば「自分を客観的に観察すること」。これができると、感情のコントロールがうまくなります。イライラの感情を自分から取り出し、客観的に観察することで、冷静になれるのです。

また、このキャラクター化は、脳に「私はイライラがあるのを認識している」という信号を伝えることにもつながるため、イライラのアラームが鳴り響くこともありません。

まとめると、イライラや不安は感じていいと許可を出してあげてください。次にそれらを冷静にコントロールして、第三者的な視点から自分を眺めるようなイメージで外に出さないようにすればいいわけです。

またイライラや不安は、他人との比較が原因になることもあります。そのため、誰かが決めたような理想の子育てや家族像を追い求めるのでなく、あなた自身やお子さんが幸せだと感じる毎日を過ごすために、という視点で考えてみてはいかがでしょうか。

星 渉 著作家、経営コンサルタント

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ほし わたる / Wataru Hoshi

著書累計7冊45万部。株式会社Rising Star代表取締役。1983年仙台市生まれ。大手企業で働いていたが、東日本大震災に岩手県で被災。生死を問われる経験を経て「もう自分の人生の時間はすべて好きなことに費やす」と決め、2011年に独立起業し、心理療法やNLP、認知心理学、脳科学を学び始める。それが原点となり、個人の起業家を対象に「心を科学的に鍛える」を中心に置いた独自のビジネス手法を構築。『神メンタル』『神トーーク』(ともにKADOKAWA)は25万部突破のベストセラーに。

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