タリーズのコーヒーはスタバと一体何が違うか

4番手の持ち味は「独自の豆選び」と「国内焙煎」

タリーズコーヒージャパンの渡邊瑛子さん(プロダクト本部ビーンズ開発グループ・チーフ)はこう説明する。現在は同社の「コーヒーの味の責任者」である南川剛士さん(同グループ長)と一緒に、コーヒー豆の品質管理や調達業務に携わる。

タリーズコーヒージャパンの渡邊瑛子さん(筆者撮影)

一般にコーヒーは、生産農家がコーヒーチェリー(サクランボに似たコーヒーの実)を栽培・育成し、収穫されたチェリーの実を取り出し、精選して(生豆=なままめの状態で)出荷される。この生豆を焙煎(加熱・加工)すると茶褐色のコーヒー豆になる。

スターバックスは、コーヒー豆の管理に厳しい社内基準を設けている。ただし一部は国内焙煎するが、大半は海外にある工場で焙煎され、船便で日本に運ばれる。これに対して、タリーズの豆は全量を国内にある工場で焙煎する「鮮度」が、スタバとの違いだ。

また、コーヒーの味を左右する焙煎には、大きく「浅煎り・中煎り・深煎り」があり、豆の特徴によって焙煎方法を決める。タリーズの豆は総じて、しっかりした味に思える。

「“しっかりした味”をどう捉えるかですが、全体的に深めの焙煎を行い、ボディ(コーヒーにおけるコク)の強さがあることは大切にしています」(渡邊さん)

品質管理・調達を行う2人の「コーヒー愛」

渡邊さんは、両親がコーヒー好きで自宅にミル(コーヒー粉砕機)がある家庭で育った。静岡県出身で、父親の仕事の都合で小学2年生から4年間、マレーシアで生活した。

「帰国後は埼玉県で暮らし、大学時代は幼児教育を専攻。カフェのアルバイトもしながら、時間ができると喫茶店やカフェ巡りをしました。今でもスターバックスは好きですが、いろんな店でカフェラテを飲み比べた結果、タリーズがいちばん気に入ったのです」

グアテマラの産地でカッピングテストを行う渡邊さん(画像提供:タリーズコーヒージャパン)

幼稚園教諭かカフェ業界かで進路を考えた末に、タリーズを選んだという。2007年に新卒で入社すると、東京都内の店舗勤務時代から「ビーンズ開発」の仕事を熱望した。赤坂(港区)、石神井公園(練馬区)などの店に勤め、念願の本社で現職に就くまで8年の歳月を要した。現在の業務に、店舗勤務経験は大いに役立っているという。

一方の南川さんは、三重県松阪市出身。大学時代に旅行で訪れた神戸で喫茶店のコーヒーと店の雰囲気に感動し、コーヒー関連の仕事を目指したが、希望はかなわず。最初の就職先は、寿司ネタを飲食店に卸す食品会社だった。

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