月々定額「クルマのサブスク」は本当に得なのか 購入との比較で考えるメリット・デメリット
ホンダが2020年1月28日にスタートさせたばかりのサブスクが「Honda マンスリーオーナー」だ。
このサービスの特徴は、名称にもあるとおり、最短1カ月からの利用を可能にしていること。しかも、最長でも11カ月だ。これほど短期間だと、所有とは比較できない。
逆に“1カ月以上で11カ月まで”となれば、カーシェアやレンタルでもありえない。つまり、「Honda マンスリーオーナー」はほかに比較しようのないユニークなサービスだといえる。
さらにユニークなのは、新車ではなく中古車を使うところだ。
「Honda マンスリーオーナー」のサイトを見ると、実際に利用できる車両そのものが1台ずつ掲載されている。中古車だから、クルマの年式や走行距離だけでなく、装備類も決まったものとなる。
現物が中古車としてあるだけ、どんなクルマが使えるのかがリアルにわかる。ある意味、非常にわかりやすいサービスと言えるだろう。数カ月単位の出張など、短期間だけクルマが必要な人には、待ちに待ったサービスではなかろうか。
月額利用料金は、軽自動車の「N-BOX」で2万9800円~、普通車は「フィット ハイブリッド」の3万9800円~。福祉車両も用意される。
ただし、まだ始まったばかりで、サービスを行う店舗は埼玉県に1つあるだけ。車両の数もあまり多くなく、車種もコンパクトカーが中心で、選択肢は狭い。また、禁煙車しかないことも、喫煙者には気になるところだろう。
さらに月当たり1000㎞以上を走行すると、別途6円/kmが課金されるため、走行距離の多い人には向かないサービスとなる。こうした弱点もあるが、新しいサービスとして、今後の内容拡充に期待したいところだ。
クルマの使い方も多様化の時代へ
トヨタの「KINTO ONE」は、ワンストップですべてのクルマの雑務がこなせるのが大きな魅力。一方の「Honda マンスリーオーナー」は、短期間での使用に向いたサービスとなる。
クルマのサブスクの登場は、損得だけでなく、幅広いニーズに応えるサービスの拡大という側面もある。“ダイバーシティー=多様性”は社会だけでなく、クルマの購入・使い方にも広がっているというわけだ。
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