鹿島建設が女性を現場配属する理由 建物を建てたい、橋を架けたいという女子学生が急増中

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やはり、相談できる先輩社員の存在の有無は大きな要素となる。年次を超えた女性総合職社員が集まることで、ネットワークが作られ、ロールモデルとなる人のことも知ることができる。実際、これをきっかけに知り合うことになった先輩社員が、後輩の相談に乗るなど、細かいフォローをしてくれている。

育児休業から現場復帰の社員も

──出産、育児となると現場で働くのは難しそうですね。

働く場所は建設現場だけではない。現場を支援する管理部門にも多くの仕事がある。育児期間は管理部門で現場支援をするという働き方もできる。中には、自宅近くに現場があったことが大きいが、育児休業明けからフレックス短時間勤務制度を利用して現場勤務をしている者もいる。

 

──育児休業などの制度面の整備で、何か力を入れていることはありますか

弊社でも育児支援制度や介護支援制度を整えている。しかし、制度を作ること以上にそれを使いやすい環境を作ることが重要だと考えている。育児支援制度、介護支援制度を利用しやすい環境作りは男性社員にとっても重要だ。

制度を利用しやすい環境にするためには、やはり男性社員、特に管理職クラスの理解が不可欠だ。

そのため、次期所長育成研修や初級管理者研修などにダイバーシティマネジメントの講義を盛り込み、その中で特に女性活躍推進やワーク・ライフ・バランスについて話をしている。今後も、女性活躍推進の内容を盛り込んだ研修の受講者層を広げたり、プログラムを見直すなどしたりして、意識改革に力をいれていきたいと考えている。

(撮影:梅谷秀司)
 

小林信一

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こばやし・しんいち

HR総合調査研究所(HRプロ)ライター

同志社大学法学部卒業後、出版社勤務を経て、87年に独立。フリライターとして、学生援護会発行『DODA』『TPIS』、産労総合研究所発行『企業と人材』『人事労務』などの雑誌で執筆。採用、組織活性化、人材教育などの分野を得意とする。

 

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