武漢発の財新リポートが世界に注目される理由

FTからアルジャジーラまで頼るメディアの実像

1953年生まれの胡氏は数々の大型経済事件のスクープで名をはせ、2002年にはSARS (重症急性呼吸器症候群)に関する中国当局の情報隠蔽を暴いた。米誌『ビジネスウイーク』につけられた「中国で最も危険な女性」という異名は、ブリタニカ百科事典(オンライン版)でも紹介されている。ずば抜けたスクープ記者というだけではなく、市場主義に基づく中国の経済改革を唱道するオピニオンリーダーでもある。ちょっと日本にはいないタイプの大物ジャーナリストだ。

現場で何が起きたのか

武漢には「財新」調査報道チームの精鋭が派遣され、その取材成果はグループの週刊誌である「財新週刊」の分厚いカバーストーリーに結実した。財新と提携する東洋経済は、週刊東洋経済プラスでその長編リポートの日本語版を配信している。

武漢市当局が「原因不明のウイルス性肺炎」の発生を公にしてから、「ヒトからヒトへの感染」を認めるまで20日が空費された。この「空白の20日間」に何が起きたのかを「財新」取材班は徹底的に暴いていく。

「初動の遅れ」と片付けるのは簡単だ。しかし、現場で何か起きたかをファクトで押さえておかないと、いずれわれわれも同じような失敗を繰り返すことになるかもしれない。

新型肺炎が中国の人々にもたらした現実と、そこから脱出するための奮闘ぶりを「財新」の取材班は抑制された筆致によってあらわにしていく。まさに、中国の人々の苦闘を人類の教訓にするための記録である。

週刊東洋経済プラスでは近日中に、第二弾の長編リポートも掲載する予定だ。

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