雑談が下手な人はまず「相づち」ができていない 話していてラクな人はいったい何が違うのか

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A:「昨日、久々に実家に帰ったんだ」
B: 「(とりあえず前のめりに)ふーん、そうなんだ!」
A:「そうなんだよ! そしたらさ、家の中がガラリと変わってて、畳の部屋にソファーとか置いちゃってて(笑)」
B:「(笑いながら)それはすごいね!」
A:「そうそう、本当おかしいよね~!」

Bさんは、とりあえず感情を込めて、すぐにあいづちを打っているだけです。発言の中には何の情報もありません。しかし、それだけで、雑談の雰囲気が大きく変わってきます。これがリアクションの力なのです。

「あいづち+α」のリアクションが会話を広げる

この「すぐにあいづちを打つ」という習慣がついてきたら、そのうえで相手の話をさらに広げる一言を入れる練習もしましょう。ここでは「Yes, and」のテクニックが使えます。つまり、感情を込めたあいづちをした後に、自分の質問を入れ込むのです。

A:「昨日、久々に実家に帰ったんだ」
B:「(前のめりな雰囲気で)ふーん、そうなんだ! 実家、練馬だったよね?」
A:「そうそう。近いからいつでも帰れるんだけど、そう思うと逆に帰らなくって(笑)。で、聞いて! 帰ったらさ、家の中がガラリと変わってて、和風の畳の部屋に、全然似合わない、すごい洋風のソファーとか置いちゃってんの!(笑)」
B:「(笑いながら)それはすごいね! それ見て、家族には、なんて言ったの?(笑)」
A:「とりあえず親父に、『いつ、このソファー買ったの?』って聞いたのね。そしたら、『母さんが3カ月前ぐらいに買ってきたんだけど、あいつは、やっぱりセンスがいいよな!』ってありがたがってた(笑)。お似合いな夫婦だよね(笑)」

いかがでしょうか。ここまでくると、かなり積極的で盛り上がっている感じの雑談が行われている印象を受けると思います。

『雑談がおもしろい人、つまらない人 』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

実は、所ジョージさんや、明石家さんまさんなどの有名司会者は、こうした「あいづち+α」の返しを適宜行っています。つまり、「あいづちの天才」なのです。

ひな壇にいるタレントや芸人さんのコメントはすかさずあいづちで拾い、小難しいと言われるほどうんちくを語るわけではなく、かといって、無視するわけでもない絶妙な塩梅でコメントをしています。

今度、所ジョージさんや、明石家さんまさんの番組を見たら、どんなあいづちを打っているかに注目して見てみると、発見があるかもしれませんよ。

渡辺 龍太 放送作家、即興力養成講座講師

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わたなべ りょうた / Ryota Watanabe

幼少期から口数が極端に少ない性格だったが、アメリカ留学時に受けたインプロ(即興力)がきっかけとなり、以降日本人向けの即興力研究に注力。帰国後、NHKのディレクターに就任。番組出演者への即興力アップの指導も開始。現在は大手芸能事務所「浅井企画」のプロ芸人向けのアドリブ講座や公開講座でインプロ講師としても活躍中。

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