アパレル各社への影響も深刻だ。ファーストリテイリング傘下のユニクロは、中国のユニクロ750店舗のうち約160店舗を営業停止中(1月30日時点)。そのうち、武漢にある17店舗はすべて閉店している。
営業再開時期は未定で、「ほとんどは出店先の商業施設の判断に従って閉業しているため、商業施設の再開が決まらない限り、今後のことはわからない」(ファーストリテイリング広報)としている。
ユニクロはスタッフにマスク着用を義務づけ
ユニクロは国内店舗では、通常は店舗スタッフのマスク着用を原則として認めていない。しかし、現在は感染拡大防止のため、銀座や新宿、大阪などの訪日外国人客の多い店舗では、スタッフにマスク着用を義務付けている。
良品計画も中国(台湾・香港を除く)で展開する無印良品の約270店舗のうち50店舗を営業停止中だ(1月29日時点)。そのうち、武漢の10店はすべて営業停止している。
営業再開時期は「顧客とスタッフの健康・安全を最優先に考え、国・地域の指示や出店施設との相談により対応していく」(良品計画の広報)。湖北省内に日本人駐在員はいない。
一方、コンビニエンスストアの国内最大手セブン-イレブンは、中国(台湾をのぞく、以下同)で子会社による運営とライセンス契約方式により計3040店(2019年9月末)を運営、そのうち湖北省には12店(1月30日時点)を構えている。
武漢を含む湖北省内の店舗の現状については、「ライセンス契約のためノーコメント」(セブン&アイ・ホールディングス広報)とする。北京などで子会社が運営する店舗は通常営業。春節休暇で日本に帰国している日本人駐在員もいるが、強制帰国などの措置は取ってないという。
中国で約2700店を展開するファミリーマートは武漢に店舗がなく、休業している店舗はない(2019年12月末)。一方、中国国内の店舗2509店のうち、武漢に377店を構える (いずれも2019年11月末)ローソンは 、「武漢の店舗はライセンス契約のため先方企業に運営を任せている。休業などの情報は入っていない」(ローソン広報)という。
ローソンの現地駐在員は上海や北京におり、家族が帰国を希望する場合には会社負担で帰国できる。