快進撃「SixTONES vs Snow Man」への違和感 デビュー曲が初週ミリオン突破の快挙も
ネットの普及でさまざまな情報が飛び交い、ビジネスの戦略ですら可視化された感もある中、今回のような誰が見てもわかりそうな形を採用してしまったのは、「こうやれば売れるだろう」「これくらいは大丈夫だろう」と世間を甘く見ていたからではないでしょうか。
2016年12月でSMAPが解散し、今年12月で嵐も活動休止する中、「SixTONESとSnow Manを絶対に成功させたい」というプレッシャーがあるのかもしれませんが、それでも現段階では逆効果だった感が否めないのです。
「どう売れたか?」のストーリーが重要
マネジメント側がSixTONESとSnow Manを「国民的アイドルにしたい」「世界に打って出たい」など、どんな戦略を描いているのかは、まだわかりません。しかし、もし彼らが国民的グループを目指すとしたら、ロケットスタートを狙うような今回のプロデュースは、必ずしも効果的とは言えないでしょう。
彼らの先輩に当たるジャニーズ事務所の国民的アイドルと言えば、前述したSMAPと嵐であることに異論の余地はないはずです。そのSMAPはデビューシングルから11枚連続でランキング1位を獲得できず、頼みの綱の音楽番組も次々に終了するなど逆境続きの中、コントなどのバラエティーに活路を見いだして成功を収めました。嵐もデビュー後の数年間はシングルランキング1位を逃すことが多く、ライブの集客もテレビ出演も少ない雌伏の時を過ごしましたが、人柄や仲のよさをベースに支持を集めていきました。
この間の女性アイドルグループに目を向けても、国民的アイドルに上り詰めたモーニング娘。もAKB48も逆境や雌伏の時を経験しています。その意味でSixTONESとSnow Manが国民的アイドルになるためには、むしろロケットスタートではなく、逆境や雌伏の時を経験させたほうがいいのかもしれません。例えばSixTONESとSnow Manの売り上げをガチンコで競わせて、負けて悔しい思いをしたほうがむしろ国民的アイドルグループの第一歩につながるのかもしれないのです。
もともとアイドルのような偶像を扱うビジネスは、成功に至るまでのストーリーが重要。「どのように売れたか?」は、熱心なファン以外の人々にとって「好きか嫌いか」「応援するかしないか」を分けるポイントとなりうるものなのです。「どのように売れたか?」が作為的なプロモーションによるものであれば、1度ついたイメージを覆すのは至難の業であり、両グループはむしろ重い十字架を背負わされたと言ってもいいでしょう。
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