武田薬品の広告が患者に与えた不利益は甚大

CASE-J試験の疑惑を指摘してきた桑島巖医師に聞く

インタビューに答える桑島巖医師
医師主導臨床試験をめぐる不祥事が次々と持ち上がり、産学協同への信頼が大きく低下している。ノバルティスファーマによる不正に続き、3月3日には武田薬品工業が高血圧症治療薬ブロプレス(一般名カンデサルタン)のセールスプロモーション(販売促進活動)を不正確なデータを用いて7年以上にわたって続けていたことが発覚。同社の長谷川閑史社長自ら、「日本製薬工業協会が定めたプロモーション規約に違反していた」と認めて謝罪した。
カンデサルタンを初めとする高血圧症治療薬の医師主導臨床試験に疑問を投げ掛けてきた桑島巖医師(NPO法人臨床研究適正評価教育機構理事長、東京都健康長寿医療研究センター顧問)に、問題の所在について聞いた。

以前から問題点を指摘してきた

――武田薬品が37億円にのぼる多額の寄付金を拠出した医師主導臨床試験CASE-Jでも、不正疑惑が持ち上がりました。

 CASE-J試験は、ノバルティスファーマが関与したKYOTO HEART試験やJIKEI HEART試験と並んでおかしな点が多いと以前から私は指摘してきた。詳しくは「循環器トライアルデータベース」というインターネットサイトに私が書いたコメントが掲載されているので見てほしい。

そこに記述したが、武田薬品の高血圧薬カンデサルタンと他社のアムロジピンの2群間の比較において、カンデサルタンを投与された患者群のほうが明らかに多くの高血圧薬を併用していることが、2008年に発表されたCASE-Jの主論文から明らかになっている。このことは、ほかのたくさんの薬剤を服用しなければ、アムロジピン投与群と同等の降圧効果を得られないことを証明している。

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