王室離脱する「ヘンリー王子夫妻」を待つ茨の道 「サセックスロイヤル」のブランドは使えるか
ヘンリー王子は自らが愛する国や女王を捨てることはないと主張したが、「これに関しては、ほかに選択肢はなかった」と述べた。
夫妻のウェブサイトとInstagramのアカウント「サセックスロイヤル」も先が見えないままだ。宮殿の職員によれば、通常王室の爵位は公務を行う王族のためのものである。今のところ、このサイトには「殿下」「妃殿下」という表記が使われている。
これはすなわち、ヘンリー王子とメーガン妃が公務からのこれほど完全な離脱を構想していなかったことを明示している。このサイトには、イギリス連邦における女王の使者としてのヘンリー王子夫妻の義務に関する長い記述が含まれている。しかし、ヘンリー王子は「コモンウェルス(イギリス連邦首脳会議)・ユース・アンバサダー」の称号を放棄せざるをえなくなった。
サセックスロイヤルが使えなくなると…
王室の専門家によると、夫妻はすべての慈善活動において「サセックスロイヤル」を使っているため、この名前を失うと、2人が収入を得る見込みは厳しくなるかもしれない。しかし専門家はまた「殿下・妃殿下」の称号に関しては、非公式に知られているように、アメリカではイギリスよりも反響が少ないと指摘した。
夫妻は、2018年に結婚した後女王が授与したサセックス公爵および公爵夫人の称号を保持する。そして、ヘンリー王子は「殿下」と呼ばれるのを望むかどうかにかかわりなく、王位継承順位6位の王子のままだ。
王室の専門家たちは、メーガン妃に対する女王の声明の温かさを称賛し、2人がこうした変化を数カ月にわたって押し進めたことを、君主として承認したことに言及した。君主制の構造への挑戦に直面して、未来の王族たちの青写真として役立つかもしれない斬新な合意を受け入れた、と専門家たちは評価している。
すべての温かい言葉にもかかわらず、バッキンガム宮殿はヘンリー王子とメーガン妃の新しい人生から距離を置いている。
営利目的のベンチャーに関する言及や承認は行わない。ヘンリー王子夫妻は、自分たちがしたことはすべて「女王陛下の価値観を擁護し続けるものだ」と述べた。当局のこのあいまいな表現は、王室が夫妻についての説明責任を問われないことを意図している。
王室は、この合意条件が発効する今年の春から1年後に対応を再検討する。宮殿の職員によると、移行がどのように進行するかに応じて、合意条件は別方向に改変される可能性がある。