王室離脱する「ヘンリー王子夫妻」を待つ茨の道 「サセックスロイヤル」のブランドは使えるか

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アフガニスタンでヘリコプターのパイロットを務めたヘンリー王子は、イギリス海兵隊元帥を含む軍の称号を放棄しなければならず、王子にとってはつらいことだろう、と王室関係者は語る。祖父のフィリップ王配からこれらの称号を継承し、兵役を通じて自分の役割を担ってきた。

一方、ヘンリー王子は、2014年に設立した傷病兵たちのための世界的なスポーツイベント「インヴィクタス・ゲーム」とのつながりは維持する。軍隊および負傷兵たちとのつながりを考えると、それを諦めるよう強要すれば王子は大いに苦しむだろうと、前出のジュナー氏は述べる。

チャールズ皇太子は「援助」を続けるのか

夫妻が実際どの程度経済的に自立できるかも、未解決問題の1つだ。ヘンリー王子には、母親のダイアナ妃から相続した数百万ドルもの多額の私有財産がある。公爵夫人もメーガン・マークルとして知られていたとき、法律系テレビドラマ「SUITS/スーツ」に出演しており、女優業で得た財産がある。

しかし、夫妻は王族の公務における主要な資金源となる王室助成金からの公金を放棄する。2人のウェブサイトによると、これは夫妻が使う費用の5%を占めている。

残りの95%は、ヘンリー王子の父親であるチャールズ皇太子が所有する世襲財産のコーンウォール公国から来ている。皇太子は夫妻を支援し続けるだろう、と当局はしているが、公国からの資金でそうするかどうかは明らかではない。チャールズ皇太子がプリンス・オブ・ウェールズの立場によってその公国を所有していると考えると、そこからの金は準公金と見なされるからだ。

また、年間数百万ドルに達する可能性がある2人の警備費の支払いについても明らかになっていない。バッキンガム宮殿は18日、そうした取り決めについてのコメントは拒否した。警備の専門家によると、イギリス内務省は夫妻の著名な公人としての地位を考え、おそらく警察による警備を提供し続けると思われる。

タブロイド紙との関係に関しては、夫妻は王室から離脱したことを喜ぶ可能性が高い。

2人は王室の活動を記録する記者団会見「Royal Rota(ロイヤル・ロタ)」にはもはや参加しないことを明らかにした。ヘンリー王子はニュースメディア、とくにタブロイド紙を、ヘンリー王子の母親ダイアナ妃の死の一因となったと同じように、ヘンリー王子とメーガン妃をパパラッチが追い回していると非難した。

メーガン妃は19日、疎遠だった父親のトーマス・マークル氏への個人的な手紙を公開したとしてタブロイド紙メイル・オン・サンデーに対し訴訟を起こした。ヘンリー王子はまた、ザ・サンとデイリー・ミラーの所有者に対し別々の法的手続きを開始し、2000年代初頭までさかのぼって電話のボイスメールメッセージをハッキングしたと非難している。

王室ファンによると、夫妻とマスコミの関係がどのように発展するかは、2人の新たな人生においてとりわけ注目されている。

(執筆:Mark Landler記者)

(C)2020 The New York Times News Services 

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